単一分子と電極間の接合状態を可逆的に制御することに
世界で初めて成功
- 有機分子を活用した単一分子素子の実現への新たな一歩 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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白金電極(111)結晶面上に吸着したメチルイソシアニド(左;CH3NC; MeNC)とメチルアミノカーバイン(右;HCH3NC; MeHNC)間の可逆的化学反応 情報化社会をリードし続けるエレクトロニクス素子ですが、さらに、大量かつ高速な情報処理を可能とする単一分子素子の開発に期待が高まり、世界各国で実用化を目指した熾烈な開発競争が繰り広げられています。
 有機分子を活用する単一分子素子の開発もその一つで、エレクトロニクス素子の代表となっている半導体や金属素子では実現することができない機能や電気伝導特性を自由にデザインすることができるメリットを持っています。
この特徴を生かす単一分子素子開発には、有機分子と電極の接合が決める電気伝導特性を原子のスケールの分解能で理解する必要があります。
 理研中央研究所川合表面化学研究室の研究グループは、米国イリノイ大学のマイケル・トレナリ教授らとともに有機単一分子と金属電極との接合状態や電気伝導特性を可逆的に制御することに世界で初めて成功しました。具体的には、有機分子としてイソシアニドの末端基を持つメチルイソシアニドを用い、白金電極に一本足で接合した状態で水素を加え、メチルアミノカーバインに変えて二本足接合にして電気伝導を変化させました。さらに、二本足の状態で走査型トンネル顕微鏡(STM)から電子を供給して元の状態に戻すことに成功し、この二つの化学反応が可逆的に起こることを実証しました。この成功は、有機分子が持っている多彩な分子の性質を利用した、単分子スイッチや単分子トランジスタなどの単分子素子を実現する新たな可能性を切り拓くことになりました。
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