睡眠・食事・運動などの生活のリズムは、“体内時計”にコントロールされています。海外旅行に行くと時差ぼけに悩むのは、体内時計を持っているからなのです。 体内時計が狂うと、生活が乱れるだけでなく、不眠症・鬱症状・不登校などの原因のひとつと考えられている“リズム障害”を起こします。
体内時計は、おおよそ24時間の周期で遺伝子がリズミカルに機能するネットワークシステムから成り立っていると考えられ、約20個の転写因子タンパク質などが中心部を形成していることは明らかになっています。しかし、この体内時計の仕組みは複雑で、全容は依然ナゾのままです。
理研発生・再生科学総合研究センターシステムバイオロジー研究チームは、九州大学、国立遺伝学研究所、米国テキサス農工大の研究者らと協力して、ショウジョウバエの体内時計システムで重要な役割を演じている新しい遺伝子“時計じかけのオレンジ”を発見しました。発見した新遺伝子が “Orangeドメイン”と呼ばれるタンパク質構造を有した“時計遺伝子”であることから、映画(原作は小説)にちなんで命名しました。
この新遺伝子は、自分自身はもちろん他の時計遺伝子も制御しています。この遺伝子と似た遺伝子はヒトにも存在していることが知られており、ヒトの体内時計システムを解明できる手掛かりになります。体内時計の仕組みが明らかになれば、体内時刻に合わせた薬剤投与を実現する最適化医療や、リズム障害の診断・治療が可能になると期待されます。
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