私たちの体や身のまわりに存在しているあらゆる物質は、陽子と中性子が結びついた原子核と電子からなる元素でできています。陽子の数が同じで、中性子の数が異なる元素を同位体と呼びます。同位体は、それぞれ違った性質を持ち、新たな元素といえます。例えば、自然界で最も軽い元素の水素は、陽子が1個で、中性子はありませんが、中性子が1つ付くと2重水素となり中性子の減速材などに活用され、2つ付いた3重水素は核融合の燃料として期待されています。
地球上に天然に存在する安定な原子核は、約300個ですが、理論的に10,000個の原子核が存在すると言われています。しかしながら、その実態はなぞのままでした。
理研仁科加速器研究センターは、水素からウランまでのすべての元素のRIビームを世界最多の4,000種類発生できる、世界で唯一の次世代加速器施設「RIビームファクトリー」を開発しました。稼動開始直後で早くも、未知の新同位体元素、パラジウムー125を生成しました。
この元素は、既知の安定同位体に比べて中性子の数が異常に多い中性子過剰の125Pdです。引き続き新同位体を生成し、さらに生成した新同位体を詳細かつ多角的に解析していくことにより、原子核物理の根源的な研究に挑み、世界に先駆けて元素をめぐる謎解きに大きく貢献して行きます。
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