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独立行政法人 理化学研究所 信和化工株式会社 |
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エチゼンクラゲなどに共通の新しい糖タンパク質「ムチン」を発見 - 理研オリジナルの高付加価値な工業素材として実用化へ - |
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| 平成19年6月1日 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)と信和化工株式会社(和田啓男代表取締役社長)は共同で、エチゼンクラゲ、ミズクラゲなど日本沿岸に普通に見られる多くのクラゲ種に共通して「ムチン※1(糖タンパク質の一種)」が大量に含まれることを発見し、その構造を決定することに成功しました。これは、理研中央研究所(茅幸二所長)の環境ソフトマテリアル研究ユニットの丑田公規研究ユニットリーダーらの成果です。なお、この発見には、京都府京丹後市の三津漁業生産組合(澤博行組合長)の組合員の献身的な協力がありました。 発見した化合物は、構造が比較的シンプルで、人間の胃液などの主成分として含まれる「MUC5AC※2」というムチンと酷似した構造を持っています。ムチンは、人間だけでなくさまざまな動物の粘液の中に含まれ、細菌やウイルスから身を守る抗菌作用や保湿効果を発揮してきており、医薬品や健康維持のため注目されています。人間の胃液中では、含んでいるムチンが胃がんの発症原因となっているピロリ菌を捕まえて活動を抑制する働きをしていることも明らかになってきています。これまで工業的にムチンを大量に生産する方法は、化粧品や食品の添加物として用いられる家畜由来のガストリックムチンなど限られていました。新規ムチンは、これらと異なり、大量生産が可能である上に、化学構造が明確になっているので、糖鎖の変換などにより、高度な医薬品材料として発展する可能性を持っています。 新規ムチンの発見は、こうした高付加価値製品開発を加速させるとともに、新たなムチンの資源を人間社会に提供するものとなります。クラゲから採取するムチンは、簡単で大量に生産できることから、工業化も容易で、価格の安いムチン原材料を提供できると考えられます。このムチン生産プロセスは、クラゲの処理作業と平行して進めることができるため、廃棄物として扱われてきたクラゲの回収・処理問題を一石二鳥で解決することが可能となります。 研究ユニットでは、この化合物を古事記にちなんで「クニウムチン(Qniumucin)」と命名※3し、理研オリジナルな化合物として実用化することを目指し、すでに大量生産に向けた研究をスタートさせました。今後は、利用の範囲を広げ、大きな付加価値を付けることにより環境を保全するコストを捻出する公共性の高い産業を創出できる可能性を追求する予定です。 本研究は、独立行政法人科学技術振興機構の平成18年度独創的シーズ展開事業、大学発ベンチャー創出推進のテーマにも「クラゲ廃棄物から抽出した新規ムチン生産の企業化」として採択されています。この成果はアメリカ化学会、アメリカ薬学会の共同出版による『Journal of Natural Products 』に6月1日オンライン掲載されます。また、6月16、17日に京都国際会議場で開催される第6回産学官連携推進会議(内閣府主催)の若手研究者による科学技術説明会でも「クラゲ類から抽出した新規有用糖タンパク質(ムチン)の製造」として口頭発表されます。
<補足説明>
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