「てんかん」は全人口の1%以上の人が発症する、頻度の高い神経疾患です。てんかんにはさまざまな種類があり、また、発症に関与する遺伝子も複数見つかっています。この中でも、神経細胞の興奮と情報伝達に基本的な役割を果たすナトリウムチャネルの一種、 Nav1.1をコード(暗号化)しているSCN1A遺伝子は、熱性けいれんプラスなどの比較的軽いものから乳児重症ミオクロニーてんかんなど難治・重篤で重い精神発達障害を伴うものまで複数種のてんかんで高頻度に変異を示す、てんかん原因遺伝子としてもっとも代表的なものです。
理研脳科学総合研究センター神経遺伝子研究チームなどの共同研究グループは、難治てんかんで見いだされたSCN1A遺伝子変異を導入したマウスを作成・解析することにより、モデルマウスにおけるてんかん発症、抑制性神経細胞の機能不全などに加え、Nav1.1が本来発現する抑制性神経細胞の種類とその発現部位の特定に成功しました。この発見は、てんかんに対する、有効で、しかも副作用の少ない新たな治療法の開発に大きく貢献するものと期待されます。
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