弱った筋力をアップさせたり、損傷した筋肉を再生させて自由な動きを獲得することは、人類が持ち続けている夢の一つ。失った筋力の機能を補うために、ロボットや人工筋肉の開発・研究が進んでいますが、生きた筋肉細胞を育てて失った筋肉を再生させ、力を取り戻すことを実現するにはまだ多くの難問が残っています。
中央研究所バイオ解析チーム及びバイオアーキテクト研究推進グループの研究グループは、筋肉のもととなる筋芽細胞にストレス刺激を与えてから培養する手法により、シャーレの中で筋収縮活動をする筋繊維細胞を作りました。
筋芽細胞は、細胞融合して多核の筋管細胞に分化し、さらに成熟して収縮能を持つ筋繊維細胞を形成する段階を経て筋肉となります。ところが、筋分化の初期に生じる小胞体ストレスを考慮していない従来の培養法では、筋管の段階で分化がストップしてしまう場合がほとんどでした。研究グループは、この問題を人為的に小胞体ストレスを与える方法でクリアーし、筋繊維細胞をつくる技術を確立しました。まだ、マウスの細胞を使った研究段階ですが、生体内での筋繊維形成や筋分化を実現できれば、医療や健康増進への応用が見込め、夢の実現に近づきそうです。
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