携帯電話やインターネットが普及した情報化社会は、さらに、大容量で高速に情報を処理する素子開発を求めています。そのため、エレクトロニクス分野では、さらに便利な技術革新の必要性が日増しに高まっています。この答えの一つが、これまであまり目を向けられていなかった電子の「スピン」を活用したエレクトロニクス、「スピントロニクス」。世界で激しい研究開発競争が始まったばかりですが、大容量の情報を記憶するメモリー、量子コンピュータ、高速光素子などを可能にし、情報化社会に新たなパラダイムを提供すると注目されている研究分野です。
理研フロンティア研究システム量子ナノ磁性研究チームは、このスピントロニクスの源である「スピン流」を電気的に検出し、計測することに成功しました。理研フロンティア研究システム量子ナノ磁性研究チームは、このスピンエレクトロニクスの源である「スピン流」を磁石を使わずに発生させ、計測することに成功しました。スピン流は、電子の自転運動「スピン」の拡散現象を通じて生じますが、大きさが極めて小さく、流れる領域がナノスケールであるため、電気的な検出が困難でした。
研究チームは、ナノスケールの白金細線に電流を流して生じるスピンの蓄積(スピンホール効果)を検出することに成功しました。その結果、電流からスピン流への変換効率が、これまで知られていたガリウム砒素化合物半導体に比べて1万倍以上も大きいことが明らかとなりました。
これは、スピントロニクス素子の探索を可能とした成果で、より大容量・高速を求める社会のニーズに応える結果を導くことになります。
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