五感の中でも「視覚」は、私たちが世界を感知するためにとても重要です。この視覚をもたらすのが眼。その構造と機能は、よく「カメラ」にたとえられ、レンズの役目「水晶体」を通して得られる光の情報を、フイルムである「網膜」が受け取り、情報を処理して、私たちは感性を磨くキッカケをつかみます。網膜は、 10層の構造からなり、光の情報を神経情報に変えて脳に伝えます。その中で「視細胞」が光の情報を電気信号に変換しています。
理研発生・再生科学総合研究センターの網膜再生医療研究チームは、この視細胞を新たに再生する手法を発見しました。損傷した網膜を観察、発生期に重要な役割をはたすタンパク質“ウィント”が働き、新生を促進することを見つけたのです。このウィントとその働きを助ける物質を投与すると、網膜前駆細胞が増え、視細胞が効率よく再生しました。研究チームは、この手法をマウス、サルの実験で確認しました。
この方法をさらに進めることができれば、従来の網膜の再生医療として考えられている「移植治療」とは別の、「薬物治療」による新たな再生法を可能とすることも期待されます。
|