細胞周期、免疫、代謝の調節、ストレス応答、DNAの修復などさまざまな生命現象に深くかかわっている重要なタンパク質には、「ユビキチン」が関与しています。このユビキチンは、76個のアミノ酸が結合したタンパク質で、不要になったほかのタンパク質にとりつき、“ここに問題のあるタンパク質がいますよ”と知らせる役目などを担っています。いたるところにある、という意味のラテン語を語源に、この名がついたと伝えられています。2004年、「ユビキチンの仲介でタンパク質が分解される仕組みの解明」に対して、ノーベル化学賞が贈られました。しかし、まだナゾが多く、例えば、ユビキチンがとりつくタンパク質や修飾部位などは、ほとんど知られていませんでした。
理研植物科学研究センターの植物免疫研究グループは、英国セインズベリー研究所と共同で、ユビキチンの修飾をうけたタンパク質の大量精製と、そのタンパク質を構成するペプチドを網羅的に解析する手法の開発に成功しました。この手法で、シロイヌナズナから85の新規ユビキチン修飾部位を決定しました。
この方法はイネなどにも活用することができるため、将来には植物の成長や開花の制御技術、環境ストレスに強い作物が誕生することになるでしょう。
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