RIビームファクトリーでウランイオン加速に成功
- 日本の加速器史上初、リングサイクロトロン4基の多段式加速では世界初 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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 私たちの身の回りのものはすべて原子から成っています。原子は、原子核と電子でできており、原子核は陽子と中性子からできています。原子核の研究では、“核図表”という陽子と中性子で表される表があります。この表の“安定線”と呼ばれる斜めに走る線上にある安定核についての研究は進んできましたが、安定線からはずれたところにある、陽子の数と中性子の数に大きな差がある不安定な原子核(放射性同位体)については、まだまだわかっていないことは多いのです。
 一方、天然に存在する元素の中で、最も原子番号が大きく重い元素である「ウラン」が、ビッグバンから始まったと言われる宇宙の歴史の中でどうやって出来たのかも依然としてナゾのままです。「こういうようにできたんじゃないかな?」と、核図表上でウランができた道筋を示す仮説はありますが、これまでの装置ではその詳細を実証することはできませんでした。
核図表とウラン合成仮説 理研仁科加速器研究センターのイオン加速器施設「RIビームファクトリー」では、この仮説を実証するため、世界最先端の加速器群を開発し、3月23日午後9時にウランイオンを加速することに成功しました。「ウランイオンなどを加速させて生成できる大量かつ多様な同位体のデータから、ウラン合成のナゾときのヒントを手に入れる準備ができた」ということです。加速器を使ってウランイオンを加速したのは日本では初めてのことです。
 RIビームファクトリーは日本の加速器史を塗り替えただけでなく、原子核そのもののナゾや元素誕生のナゾの解明にもその威力を発揮するとともに、放射性同位体を使った新たな研究の創出やイノベーションへの起爆剤となることが期待されます。
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