「ヌタウナギ?なにそれ?」と思う方も多いはず。海で網にかかると他の魚に食いついたり、大量に放出するヌメリが漁具を傷めるため、「害魚」と漁師から嫌われていました。一方、皮が財布やベルトの材料として重宝され、また、食すると美味、と注目されてもきました。このヌタウナギは、最も原始的な脊椎動物とされ、学術的には重要な位置づけにありますが、深海性であり、その生態や発生過程の研究が十分に行われず、ナゾだらけの生物でした。
理研 発生・再生科学総合研究センター形態進化研究グループは、世界で初めてこのヌタウナギを人工飼育し、卵を産ませて、胚発生を行わせることに成功しました。この胚を使った解析で、脊椎動物に特徴的な「神経堤細胞」を確認したことにより、ナゾだらけだったヌタウナギが、ヒトを含めた顎口類や円口類のヤツメウナギ類と同じような発生プログラムを備えていることを明らかにし、”ヌタウナギは脊椎動物ではない“という説に対しても、決着をつけることができました。
また、人工飼育は難しいと考えられていたヌタウナギですが、飼育技術を示したことで、養殖産業を生むキッカケともなりそうです。
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