大脳皮質の発達過程における「臨界期」開始メカニズムに新たな知見
- 神経回路網再構築には適量適所の抑制性情報伝達が必要 -
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臨界期開始時の受容体のダイナミックな変化 
 スポーツや語学が上達したりすることは、脳の発達とリンクしています。生まれてまもない動物が片目の見えない状態で育つと、数ヶ月で弱視となり、目に映るものが何であるかを認識できず、その機能は回復しません。このことから特定の機能が育つ期間「臨界期」があるとされ、例えば、「語学の発音の認識は幼児期に獲得される」などと高い関心が寄せられています。しかし、この臨界期の開始時期やメカニズムはまだナゾのままです。
 この臨界期のナゾの解明に取り組んでいた理研脳科学総合研究センター神経回路発達研究チームは、開始メカニズムを解く新たな知見を得ました。臨界期の開始は、神経細胞のある特定部位の抑制情報伝達がカギを握り、神経細胞膜に存在する抑制性受容体の数が多くても少なくても臨界期が始まらないことをマウスの実験で明らかにしたのです。以上のことから、抑制性受容体の数が適量であることが、臨界期に見られる神経回路の構築に重要な役割を果たしていることになります。
 さらに、今回得た研究成果は、抑制性情報伝達の異常が引き起こすとされているてんかん発作、自閉症、統合失調症などに新しい知見をもたらし、今までにない治療方法の確立に貢献することになりそうです。
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