| ※1 |
重イオン |
| 原子が電子を失う、または得ることにより電荷を持ったものをイオンといい、このうち、リチウムもしくは炭素より重い元素のイオンを重イオンという。イオン源により原子から電子を剥ぎ取ると原子核の陽子数に比べて電子の数が少なくなり、全体としてプラスの電荷を持つことにより、加速器で電気的に加速することが可能となる。 |
|
| ※2 |
MeV(メガ電子ボルト) |
| エネルギーの単位。1MeV(メガ電子ボルト)=106 eV=1.60×10-13J(ジュール)。
1eV(電子ボルト)は真空中において1ボルトの電位差の間を移動することによって電子が得るエネルギー。
|
|
| ※3 |
中性子ハロー、中性子スキン |
| これまでの原子核物理の常識では、通常の安定な原子核には、陽子と中性子が均一に混ざり合って存在し、陽子の占める体積と中性子の占める体積はほぼ等しいと言われていた。ところが、RIビームを用いた昨今の実験で、中性子の過剰な軽い元素(8Heや11Li)の不安定原子核構造を詳しく見てみると、核子の分布は通常のコアの部分と、遠方まで広がる過剰な中性子の部分に分かれていることがわかった。この過剰な中性子が異常に大きな半径をもってコアとなる原子核のまわりに薄く広がっている状態を「中性子ハロー」、過剰な中性子が異常な半径をもってコアとなる原子核の周りを“皮”となって取り囲んでいる状態を「中性子スキン」という。 |
|
| ※4 |
魔法数 |
| 原子核は、陽子あるいは中性子の数がある特定の値をとると、特に安定になる。この数を「魔法数(マジックナンバー)」と呼び、今までに「2」「8」「20」「28」「50」「82」「126」が知られている。近年、理研を中心とする研究チームは、陽子に比べて中性子の多い不安定核で新しい魔法数「16」を発見した(2000/5/29プレスリリース)。これまで安定核の魔法数は調べ尽くされており、不安定核も同じ魔法数をもつと考えられてきたが、その定説を覆す成果であり、新しい魔法数の発見は、原子核に新しい規則性があることを示している。 |
|
| ※5 |
入射核破砕反応 |
| 加速した原子核が標的原子核に衝突し複数の破砕片に崩壊するような反応。破砕片には不安定原子核である中性子過剰核や陽子過剰核などの天然に存在しない極めて短寿命な核種(いわゆるエキゾチック原子核)が含まれる。 |
|
| ※6 |
ウラン238の核分裂反応 |
| ウラン238が標的中の原子核をかすめると安定性を失い、例えば質量数80と130近傍の原子核に分裂する現象。この反応により安定線から離れた中性子過剰核を効率よく生成することができる。 |
|
| ※7 |
質量電荷比 |
質量数を電荷の数で割った値。リングサイクロトロンは質量電荷比が同じであれば元素の種類に関わらず、同じように磁場により偏向させ加速することができる。アルミニウムの質量電荷比は、RIビームファクトリーで発出を目指すウランビームの質量電荷比とほぼ等しい。
今回の運転では、加速器完成後のまさに初稼動であるため、既存加速器で十分加速実績があり、質量電荷比がウランとほぼ等しいアルミニウムをファーストビームとして選択した。 |
|
| ※8 |
安定線 |
| 原子核は陽子と中性子で構成されるが、安定な原子核でのその比はおおよそ1:1である。核図表中、この安定核の存在するラインを安定線という。安定線を離れ、陽子数
が多い原子核を陽子過剰核と呼び、中性子数が多い原子核を中性子過剰核と呼ぶ。
|
|
| ※9 |
原子核物理関連のノーベル賞 |
1949年、メイヤーとイェンゼンは当時発見されていた原子核の殻構造を説明することに独立に成功し、1963年にノーベル物理学賞を共同で受賞した。
原子核物理に関する分野については、現在までに、「放射能の発見」、「中性子の発見」、「新放射性元素の発見」、「サイクロトロンの開発」、「核力の研究と中間子の存在の予想」、「星と核反応の研究」、「対称性の基本原理の発見」、「集団運動模型の提唱」など、20を超えるノーベル賞が授与されており、基礎および応用研究を通じ、現代の科学技術の基盤として役立っている。
|