大勢の人が集まり雑談している中でも、興味のある人の声だけを聞き取れる。この人間の脳が持っている不思議な情報処理能力のひとつを体験した人は大勢いらっしゃることでしょう。携帯電話の基地局がこの聞き分ける能力を持つことができれば、複数の携帯電話の電波が飛び交う中でも、特定の携帯電話の電波だけを取り出し、障害となっている干渉現象をなくすことができます。
理研と企業が一体となって研究を推進する「産業界との融合的連携研究プログラム」を展開してきた理研知的財産戦略センターの次世代移動体通信研究チームは、次世代の携帯電話方式にカオス理論を適用してその方法を開発しました。理研脳科学総合研究センターが取り組んできた“ICA(独立成分分析)”という信号処理方式の成果と、カオス理論に基づく通信方式を開発してきたベンチャー企業である株式会社カオスウェアの“カオスCDMA方式”をドッキング。この新しく開発した方式で、現有の通信方式では実現できなかった高い精度で電波を分離することができました。
この日本独自の技術が、情報量を飛躍的に増大させることができる次世代の新しい通信方式になることが期待されます。
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