ミトコンドリアDNA複製の常識の一端が覆る
- ミトコンドリアDNA複製開始には遺伝的組換え開始と共通の装置がはたらく -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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 歳とともに神経や運動の機能が衰える原因のひとつといわれているのが、細胞内に存在する小器官「ミトコンドリア」のDNA複製時に呼吸欠損変異が蓄積し、ミトコンドリアDNAが不均一化することです。ミトコンドリアは、核とは別に独自のDNAを持っている、エネルギー生産工場です。
 理研中央研究所柴田武彦上席研究員と凌楓先任研究員らの研究グループは、これらの現象の根幹となるミトコンドリアDNA複製開始に関して、これまでの生物の教科書を書き換える事実を酵母を使って発見しました。具体的には、ミトコンドリアDNAの複製開始が、これまで言われてきたRNA合成によるものではなく、DNA二本鎖切断など遺伝子組換えと同じ反応であることを突き止めました。
新たに提唱するミトコンドリアDNA複製開始過程 この発見により、これまで謎であった、細胞一つ一つに数百個以上も存在するミトコンドリアDNAがすべて同じ塩基配列をもつように短期間にリセットされる理由や、細胞増殖にとって不利なはずの呼吸欠損変異ミトコンドリアDNAの増加が、酵母やヒトで優性になってしまう現象の説明ができることになりました。老化や重篤な疾患 の対策に手掛かりが得られることになったわけです。
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