結晶中の原子位置が磁場で段階的に変化
- 三角格子磁性体で世界で初めて観測に成功 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
リリース本文へ
(図)三角格子磁性体における格子定数などの変化
 冬になると線路が縮んでしまう現象は、誰もが目にすることができます。これは、暑い夏には、原子が激しく振動していたものが、寒い冬にはより縮まった振動をする現象にともなう結果だということを学んだな、と思い出す方もいらっしゃるのでは?
 磁気という性質を持つ磁性体では、熱の代わりに、外部から与えた磁場で同じような現象が生じます。磁性体といえば、メモリー素子や磁気ヘッドでさまざまなところで利用されていますが、磁場を加えるとどのように結晶構造が変わるのか、熱と同じように大きさをコントロールすることができるのかは、詳しく分かっていませんでした。
 理研播磨研究所放射光科学総合研究センター量子材料研究グループ量子磁性材料研究チームらは、世界最強の38テスラの超強磁場内に、磁性体を置き、大型放射光施設スプリングエイトによるX線回折の測定を行いました。その結果 、磁性体の結晶構造の性質を表す「格子定数」が階段状に不連続に変化するという現象を見つけました。これは、磁性体中の原子の磁気の向きである「スピン」が外部磁場に影響を受けることで、熱現象とは違って、磁性体の結晶の大きさが段階的に伸び縮みすることが明らかになったことを示します。
 この結果から、結晶内の原子の位置を磁場で操作できる可能性がうまれ、新たな機能材料開発へとつながる成果と注目されます。
リリース本文へ
copyright