細胞が異常に増殖し続ける病気として知られる“がん”は、研究が進み、高頻度にDNAの異常をきたすことが発生原因のひとつとして明らかとなっています。化学薬品や放射線、細胞の機能低下などがきっかけとなり、DNAに傷が付きますが、がん細胞ではこの傷が元で異常なDNA組換えが生じます。遺伝的にDNA組換え異常を引き起こすブルーム症候群などの患者は、がんが頻発することも明らかになってきています。
イタリアがん分子生物研究基金の研究者、東北大学と理研中央研究所太田遺伝システム制御研究室は、国際共同研究で、このがん化と関連する異常なDNA構造の蓄積を抑える働きに、タンパク質の「SUMO化」と呼ばれる仕組みが関わることを発見しました。
具体的には、出芽酵母をモデルに、タンパク質の機能を変える「SUMO化」が、染色体異常や遺伝子変換につながる異常なDNA組換え中間体の蓄積を抑える働きがあることを見出したもので、これまで知られていたDNA複製時の複製チェックポイントと違う新しい仕組みでした。
この成果は、がんの発生メカニズムの解明やがん治療薬開発に新たな道を与えるものと期待されます。
|