世界最短の物理現象:320アト秒のパルス光の構造解明に成功
- 窒素分子で極端紫外レーザー光の波をとらえる -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
リリース本文へ
(図)「パルスの形」と「波の形」/ 実験で得られた時間強度波形を表す「パルスの形」(下)。電場の時間波形(「波の形」)は上の様な形であると考えられる。
 競馬の判定はもとより、最近では誤審を防ぐため、ラグビーやテニスなど様々なスポーツにビデオ判定が用いられています。一連の動きを「止めて」見ることで、正確な審判を行うことができるからです。
 同様に、基礎科学の分野でも、高速の現象を「止めて」観察し、理解を深めよう、という努力がなされています。そこで、一瞬だけ光るフラッシュのような「パルス光」を出すパルスレーザーの開発が行われてきています。このパルス光が出る時間の間隔が短いほど、より速い現象を止めて見ることができます。
 現在では100京分の1秒(10-18秒)の「アト秒」で、究極の高速運動である原子内部の電子の周回運動を「止めて」見ることを世界の科学者たちが目標にしています。
 理研中央研究所の緑川レーザー物理工学研究室と東京大学は、極端紫外レーザー光によって引き起こされる非線形光学現象を用いて、アト秒というとてつもなく短い時間構造を作り出し、1000兆分の0.32秒(320アト秒)という世界最短の物理現象の測定に成功しました。さらに、そのレーザーパルスの中に、規則正しい波の構造があることを世界で初めて直接観測しました。今後さらにアト秒パルスの性質を解明していくことで、電子の動きをアト秒精度で制御することができるようになることが期待されます。
リリース本文へ
copyright