リサイクル可能な新しい有機伝導体を開発
- 原料分子を簡単かつ90%の高収率で回収可能に -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
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(図)新結晶の構造と原料回収反応の原理
 産業革命以降、人間の生活は便利になっていく一方で、環境破壊も進んでしまいました。21世紀に入り、“このままではいけない!”と世界中が環境問題に取り組むようになりました。キーワードは、「環境にやさしい」、「リサイクル」。
 理研フロンティア研究システム 独立主幹研究プログラム 今久保独立主幹研究ユニットは、リサイクル可能な有機伝導体の開発に世界で初めて成功しました。有機伝導体は、金属と同じように電気を通 す性質を持ちますが、原料になっている有機分子には軽くて柔らかいという利点があり、携帯電話の電池の電極など身近なところにも使われています。  今回、研究チームは、新しい有機分子「DIPSe(ジヨードピラジノテトラセレナフルバレン)」を使って、「チャンネル構造」という穴のあいた構造を持つ新しい有機伝導体結晶のシリーズを開発しました。この新しい有機伝導体は、電気を非常に良く流すだけでなく、「チャンネル構造」を反応試薬の通 り道として利用することで、90%という高い回収率で原料の有機分子をリサイクルできることがわかりました。回収反応の操作も、特別 な装置や試薬を必要としない簡便なものです。
 今までの有機伝導体の研究は、出来あがったものを測って調べる「物理」の研究が中心でした。今回、初めて原料のリサイクルを実現したことは、有機伝導体の研究を、「環境にやさしいものづくり」に向かわせる転機となるかもしれません。
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