プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
次世代スーパーコンピュータ・システムの概念設計を開始
−世界最高性能のスパコン開発に挑む−
平成18年9月19日
◇ポイント◇
  • 理化学研究所は次世代スーパーコンピュータ・システムの概念設計を開始
  • 概念設計は2案を同時に実施
  • 1案は富士通株式会社、もう1案は日本電気株式会社と株式会社日立製作所
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、次世代スーパーコンピュータ・システムの概念設計を開始します。
 次世代スーパーコンピュータ・システムは、文部科学省が推進する「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」プロジェクト※1(次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト)の一環として、理研の次世代スーパーコンピュータ開発実施本部(本部長:野依理事長)が中心となって、世界最高性能の達成を目指して開発を進めている計算機です。
 理研では、今年4月より国内の産業界、大学、及び研究機関と共同研究契約を締結し、次世代スーパーコンピュータ・システムに関する研究を実施してきました。概念設計では、これらの研究の成果をさらに発展させ、システムの具体的な仕様を検討します。具体的には、2つのシステム構成案について、1案を富士通株式会社、別の1案を日本電気株式会社と株式会社日立製作所が協力して実施します。
 これらの概念設計で得られた成果は、次世代スーパーコンピュータ・システムの最適構成を検討する資料とします。


1. 背 景
 文部科学省が進める「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータの開発利用」(以下、「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」)では、スーパーコンピュータを活用した計算科学、スーパーコンピューティングなどの分野で世界をリードし続ける基盤技術の確立を目指し、大規模な次世代スーパーコンピュータ・システムを開発しています。理研は、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトで、次世代スーパーコンピュータの開発、運用主体と位置づけられ、平成18年1月に次世代スーパーコンピュータ開発実施本部(本部長:野依理事長)を設置し、LINPACK※2性能10ペタフロップスを目標として、次世代スーパーコンピュータの開発を開始しました。
 理研は、これまで国内外のスーパーコンピュータセンター調査や国内外の技術調査を実施するとともに、今年4月に公募した「次世代スーパーコンピュータ:概念構築に関する共同研究」に対し、8者と共同研究契約を締結し、次世代スーパーコンピュータ・システムのアーキテクチャを検討して参りました。


2. 概念設計の概要
 概念設計では、次世代スーパーコンピュータ・システムが目標とする性能を達成するために、プロセッサ構成、メモリ構成、システム内のネットワーク構成などのハードウェア構成、さらに、それに必要なソフトウェア構成について、具体的な仕様を検討します。また、これらの構成は、理研のアプリケーション検討部会で選択された複数のベンチマークテストを用いて、その性能を予測します。
 今回の概念設計作業は、理研との共同研究の成果をベースに、さらに発展させるものです。共同研究の結果得られた4案を検討し、有望な2つの案について更に詳細に検討することとなったものです。理研の主導のもと、1案を富士通株式会社、もう1案を日本電気株式会社と株式会社日立製作所が協力して概念設計を実施します。


3. 今後の開発予定
 今回の概念設計で得られる成果は、次世代スーパーコンピュータ・システムの最適構成を考える資料とし、今年度中に次世代スーパーコンピュータ・システムの仕様を決定する予定です。来年度以降は、引き続きより具体的な詳細設計を開始することにしています。


4. その他
 2006年9月19日、20日の両日に、次世代スーパーコンピュータ・プロジェクトに関するシンポジウム「次世代スーパーコンピューティング・シンポジウム2006」を開催しています。
 参考Webページ http://www.nsc.riken.jp/symposium2006.html


<報道担当・問い合わせ先>
(問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所
 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部
 開発グループ ハードウェア開発チーム

チームリーダー 横川三津夫
企画調整グループ 企画調整チーム

川井和彦

Tel : 048-467-9265 / Fax : 03-3216-1883

(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当

Tel : 048-467-9272 / Fax : 048-462-4715
Mail : koho@riken.jp


<補足説明>
※1 「最先端・高性能汎用スーパーコンピュータ開発利用」プロジェクト
 本プロジェクトは、世界最先端・最高性能の次世代スーパーコンピュータの開発・整備及び利用技術の開発・普及を目的としている。
 理論、実験と並び、現代の科学技術の方法として確固たる地位を築きつつある計算科学技術をさらに発展させるため、長期的な国家戦略を持って取り組むべき重要技術(国家基幹技術)である「次世代スーパーコンピュータ」を平成22年度の稼働(平成24年の完成)を目指して開発する。今後とも我が国が科学技術・学術研究、産業、医・薬など広汎な分野で世界をリードし続けるべく、
(1) 世界最先端・最高性能の「次世代スーパーコンピュータ (注)」の開発・整備
(注) 10ペタフロップス級
(2) 次世代スーパーコンピュータを最大限利活用するためのソフトウェアの開発・普及
(3) 上記(1)を中核とする世界最高水準のスーパーコンピューティング研究教育拠点(COE)の形成
を文部科学省のイニシアティブにより、開発主体である理研を中心に産学官の密接な連携の下、一体的に推進している。
※2 LINPACK
 LINPACKとは、米国のテネシー大学のJ. Dongarra博士によって開発された行列計算による連立一次方程式の解法プログラムであり、スーパーコンピュータの世界的な順位を示すTop500リスト(毎年6月と11月に発表)を作成するためのベンチマークとして用いられている。

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