プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
NTTデータによる情報の流出について
流出情報、理化学研究所遺伝子多型研究センターとの共同研究情報を含む
平成18年9月13日
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、今般、株式会社NTTデータが発表した情報等の流出の中に、理研遺伝子多型研究センターとNTTデータとの間の共同研究の情報が含まれていることを確認しました。NTTデータによれば、本共同研究に参画していたNTTデータ社員の個人所有パソコンがウィルスに感染し、パソコン内に保管されていた東大・理研研究者の個人情報、共同研究の業務情報がファイル交換ソフト「Winny」のネットワーク上に流出していたことが判明したとのことです。現時点では情報の不正使用等の事実は確認されておりませんが、情報流出という極めて遺憾な事態となりました。流出した共同研究の業務情報は、理研が、個人を特定する情報と遺伝子情報がつながることがないよう匿名化し、直接個人を特定できないような仕組みにしていましたので、当該個人に対して被害が発生することはありません。
 今後、情報セキュリティーに対する意識の向上と情報関係の遵守事項について、改めて周知徹底するとともに、データのプロテクトを強化するなどの対策を構築するなど、このようなことが二度と起こらないよう対策を講ずる所存です。


1. 経緯
平成18年9月11日、NTTデータより、流出した情報の中に、理化学研究所の情報が含まれているとの連絡がありました。NTTデータの調査によると、本共同研究に関わっていたNTTデータ社員の個人所有パソコンにファイル交換ソフト「Winny」をインストールしていること、流出した情報が個人所有パソコンに含まれていることが確認され、当該社員の個人所有パソコンが情報流出元と判断したとのことです。


2. 流出した情報
流出した情報は合計111ファイルで以下がその内容です。
(1) 個人情報  11ファイル
14名分の共同研究者の自宅住所、自宅電話番号等
(2) 業務情報 100ファイル
開発中のプログラムおよびそのシステム構成に関する情報、患者144名分の疾患関連SNP(※1)集計データ(※2)、特定集団のSNP相関解析データ(※3)
 なお、遺伝子多型研究センターでは個人を特定する情報と遺伝子情報がつながることがないよう匿名化し、直接個人を特定できないような仕組みを構築しており、個人名等が直接明記されている訳ではありません。


3. NTTデータにおける情報流出の原因と契約違反等
現在まで、以下の事実を確認しています。
  • 個人所有の自宅PCに「Winny」がインストールされていた。
  • 当該社員は平成15年10月から平成18年3月まで、遺伝子多型研究センターとの共同研究に従事しており、遺伝子多型研究センターにほぼ常駐する形式で勤務していた。
  • 昨年秋頃に、自宅での業務実施を目的に、小型可搬媒体を利用し、業務情報を自宅PCに保存。
  • 約2ヶ月前に情報が漏洩したと推測されるが、その時点で、当該社員は漏洩には気がついていなかった。
これらは、理研の情報セキュリティに関する定めに違反していたこと、及び、共同研究契約書の機密保持契約に違反していたことが認められます。


4. 対策
 今後、理研は、情報セキュリティーに対する意識の向上と情報関係の遵守事項について、改めて周知徹底するとともに、データのプロテクトを強化するなどの対策を構築するなど、このようなことが二度と起こらないよう対策を講ずる所存です。
 なお、漏洩した情報中の財産的価値の存在に対しては、その存否を確認の上対処していくこととしています。



<報道担当・問い合わせ先>

(問い合わせ先)
独立行政法人理化学研究所
横浜研究推進部   仙波、温井

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  (報道担当)

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Mail : koho@riken.jp


<補足説明>
※1 SNP
Single Nucleotide Polymorphism(s)(一塩基多型)の略。個人間における1塩基の違い。数百塩基に1個のSNPがあり、ヒトゲノム全体で約1000万ヶ所、遺伝子領域では50万ヶ所のSNPがあると考えられています。遺伝子領域にあるSNPは、作られるタンパク質の時期や量、機能に違いを生み出すことがあります。
※2 SNP集計データ
SNPがどの塩基型かを集計したデータ
※3 SNP相関解析データ
SNPと表現型との関連性を解析したデータ

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