細胞の働きに影響するミトコンドリアDNAの個人差を特定
- 日本人が長寿である要因に関連する可能性 -
PRESS RELEASE HIGHLIGHT
リリース本文へ
今回発見したミトコンドリアDNAにおける2つの暗号の違い(多型) 「ミトコンドリア」ってきいたことがありますか?ミトコンドリアは、細胞の中にあるエネルギー代謝に関わる「細胞内小器官」です。細胞内のカルシウムイオン濃度の調節や細胞の生死の決定など、生命にとって極めて重要な役割を果たしています。ミトコンドリアは細胞核のDNAとは別に、独自のDNAを持っています。このミトコンドリアDNAは個人差が大きく、さまざまな病気の発症に関与していると考えられるとともに、長寿や運動能力などいろいろな身体の働きの個人差と関連していると考えられてきました。しかしながらミトコンドリア内の遺伝子を人工的に操作することは難しく、ミトコンドリアDNAの個人差が、細胞の働きにどのように関与しているかはほとんど分かっていませんでした。
 理研脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームらを中心としたグループは、ミトコンドリアDNAの暗号の並びの個人差(多型:たけい)を調べる方法を用い、ミトコンドリアDNAの暗号配列の2ヶ所(8,701番目、10,398番目)が、ミトコンドリアのpHおよびカルシウム濃度の変化に関与していることを突き止めました。このうち10,398番目にはG型とA型とがあり、G型は日本人で長寿者に多く見られることが、これまでの研究で指摘されています。また、欧米人に多いA型は、パーキンソン病、アルツハイマー病、躁うつ病などとの関連が指摘されています。
 こうしたことから、今回得られた知見は、長寿のメカニズムやさまざまな病気のかかりやすさの解明につながると期待されます。
リリース本文へ
copyright