酵素は、さまざまな反応を触媒するタンパク質で、機能を発揮するためにそれぞれが特別な構造を持っています。播磨研究所放射光科学総合研究センター宮野構造生物物理研究室と徳島文理大学の共同研究チームは、脂質の一種を分解し、その触媒反応を起こすために金属を必要とする酵素「セレウス菌由来の中性スフィンゴミエリナーゼ」の構造を明らかにしました。
研究グループはこの酵素の結晶を作り大型放射光施設スプリング・エイトで解析。反応が起きるのに最も重要な部分で、マグネシウムとコバルトの二つの金属イオンが、「グルタミン酸」と「ヒスチジン」という二つのアミノ酸に結合、さらに水分子がひとつ、その二つの金属イオンの間に結合するという構造をとると、高い触媒反応が起きることを明らかにしました。
こうした反応と構造の関係は、セレウス菌由来のみならず、動物に存在する中性スフィンゴミエリナーゼにも共通します。スフィンゴミエリナーゼは、「スフィンゴミエリン」という複合脂質を分解して、健康な皮膚を保つのに必要な「セラミド」を生成するので、今回の結果から、美肌効果をもつ化粧品や、アトピー性皮膚炎の治療薬開発が可能になるかもしれません。
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