生命の設計図であるゲノム。 ヒトの場合、このゲノムには約30億個の塩基対がつくるDNAという物質が遺伝暗号として並んでいます。生体内では、DNAの並びからRNAという物質の並びがつくりだされ、必要な部分が選択され、最終的にはタンパク質がつくられます。このタンパク質がつくられる部分のDNAの並びのことを遺伝子と呼んでいたのですが、最近、この仕組みについて、多くのことがわかってきて、これまで常識と思われていた概念を考え直さなければならない状況になってきました。 「遺伝子」という言葉の定義すら考えなおさなければならないようになってきています。
文部科学省ゲノムネットワークプロジェクトと理研が主催する国際FANTOMコンソーシアムは、RNA生成の量やタイミングを調節するスイッチが、ヒトとマウスにおいて、これまでわかっていたよりも5〜10倍もあることを発見しました。さらにこれが、「ブロード型」と名付けた新しいメカニズムで働いていること、進化速度が早いものであったことなどを突きとめました。
これらの発見は、単純に考えられてきた遺伝子にまつわる仕組みが、実はとても複雑な仕組みになっているという証拠をさらに提示したことになります。
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