アスベストは、別名を石綿といい、繊維のような形状をした岩石の一種です。繊維の直径は髪の毛の5000分の一という細さで、建築物の建材として使われてきましたが、肺がんなど健康への悪影響が大きな社会問題になっています。現在、アスベストの使用実態調査が盛んに行われていますが、これまでの分析方法は、定められている規制値をぎりぎりで検出できる程度の分析能力しかなく、分析時間もかかるという問題点がありました。
財団法人高輝度光科学研究センターと理研播磨研究所の研究グループらは、大型放射光施設SPring-8の粉末回折ビームラインを使い、アスベスト濃度を測定する能力を検証。これまでガラスの管に入れていたアスベストをろ紙の上に載せ、放射光が試料にあたる角度を精密に制御して、最も効率よく測定ができるように、測定方法を改良しました。その結果、これまでの検出限界だった測定濃度の1.0重量パーセントを2桁も上まわる、0.02重量パーセントという極微量のアスベストを、わずか5秒という短時間で測定することに成功しました。
今後は、SPring-8の高速・高精度という特徴を活かしながら、定型的な分析を効率よくこなしていく分析技術の確立を目指したいと考えています。
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