◇ポイント◇
- 疾病関連の共同研究および若手研究者育成を展開
- シンガポール・バイオポリスを現地側拠点として共同研究を推進
- 年内に理研シンガポール駐在事務所を開設
独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)とシンガポール政府関係法人の科学技術研究庁(Agency for Science, Technology and Research, A*STAR;Philip YEO長官)は、協力覚書(「包括的協力に関する了解覚書」)を締結します。双方の各研究所を通じて、生命科学、生物工学を中心として協力活動を行い、両国、また、ひいては広く国際社会でのそれら分野における発展に大きく寄与することを目指すもので、調印式は、平成17年9月16日14時30分から、理研東京連絡事務所において行われます。
理研とA*STARは、バイオ医学産業の育成のためにA*STARが進めるバイオポリス研究都市を現地側拠点として、生命科学、生物工学を中心として活動を行います。
当面の協力内容としては
(1)がんの転写因子に係わる構造的解析と創薬研究
(2)環境中の既知・未知病原体のスクリーニングと迅速診断
(3)神経科学関係でのシンガポール若手研究者を理研へ受入れ・研修を想定しています。
理研は、本協力覚書の下での協力活動を有効に進めることを主眼に、バイオポリス内に、年内には理研シンガポール駐在事務所を設置する予定です。
| 1. |
協力の趣旨 |
理研は、ゲノム科学、脳科学等の生命科学、生物工学等分野において世界最高水準の研究を行っており、今後もこれら分野の研究を一層充実させたいと考えています。
一方、A*STARは、シンガポール通商産業省傘下の法人であり、その中の生医学研究評議会や科学工業研究評議会の下には、シンガポールゲノム研究所や分子細胞生物研究所、あるいは化学・工業科学研究所など、12の研究所と1センターを抱えています。A*STARは、バイオ医学産業をエレクトロニクス、化学、エンジニアリングに次ぐ同国第4の産業とする計画を進めています。2003年には、同評議会議長にノーベル生理学・医学賞を受賞しているSydney Brenner博士を招聘しております。
このように、生命科学、生物工学等分野は、理研、A*STARそれぞれの重要関心事であり、両機関の連携により、当該研究分野における世界有数の研究成果が得られるものと期待されます。
理研は、本協力覚書の下での協力活動を有効に進めることを主眼に、バイオポリス内に、年内には理研シンガポール駐在事務所を設置する予定です。
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| 2. |
協力覚書の内容 |
本協力覚書の下では、次のような範囲の協力活動が行われます。
(1)両研究者・スタッフの交流
(2)講義の実施や共同セミナー、シンポジウムの開催を含む、科学技術情報交換
(3)科学・技術的研究材料の交換
(4)共同研究・開発の実施
(5)知的財産管理や技術移転に関する最良の経験の共有
これらの協力活動の実施に当っては、個々の案件毎に、特定協力協定を締結し、それに沿って活動を行います。研究協力に基づいて得られた成果、知的財産権の取り扱いについてもその特定協力協定中で詳細に規定して行きます。
本協力覚書では、その他、得られた相手側情報の基本的取扱いを定め、また、協力活動のレビューや新規の協力活動に関する検討等を行うため、運営委員会を置くことを取り決めています。
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| 3. |
具体的な連携協力 |
現在双方で検討中の具体的な協力活動案件は、次のとおりです。
(1)がんの転写因子に係わる構造的解析と創薬研究
(2)環境中の既知・未知病原体のスクリーニングと迅速診断
(3)神経科学関係での交流(シンガポールの若手研究者の理研受入れ・研修等)
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| 4. |
開催概要 |
| (1) |
開催日時 |
: |
平成17年9月16日(金)14時30分〜15時15分 |
| (2) |
会場 |
: |
理化学研究所・東京連絡事務所(有楽町新東京ビル7階) |
| (3) |
式次第 |
: |
| 進行 |
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理研 |
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総務部長 |
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大河内眞 |
| 趣旨説明 |
理研 |
理事 |
武田健二 |
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A*STAR・生医学評議会 代表代行Kong Peng LAM |
協力覚書の確認 調印(サイン) 両機関代表による挨拶(野依良治理事長、Philip Yeo長官) *調印式終了後、質疑応答の時間を設けます。 |
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| (4) |
出席者 |
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| 理研 |
: |
野依良治理事長、武田健二理事、小川智也横浜研究所長、榊佳之ゲノム科学総合研究センター長、伊藤正男脳科学総合研究センター特別顧問 |
| A*STAR: |
: |
Philip YEO長官、Kong Peng LAM生医学評議会代表代行、Geraldine WANG広報担当、Huibin ZHANG分子細胞生物研究所研究者 |
| 政府関係者 |
: |
尾身幸次議員(元科学技術担当大臣)、Chin Tiong TAN在日本シンガポール大使、文部科学省 藤田明博審議官、松尾泰樹ライフサイエンス課長 |
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| (問い合わせ先) |
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独立行政法人理化学研究所 |
| 経営企画部企画部長 中西 章 |
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| Tel | : |
048-467-9248 |
/ |
Fax | : |
048-462-4600 |
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| (報道担当) |
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独立行政法人理化学研究所 広報室 |
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A*STAR(日本国内) |
Geraldine Wang
Asst. Head, Corporate Communications
Tel: 090-9961-5350
E-mail: geraldine_wang@a-star.edu.sg
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A*STAR(シンガポール側) |
Ng Hwee Lin
Senior Officer, Corporate Communication
Tel: (65) 68266-336
Email: ng_hwee_lin@a-star.edu.sg |
<参考資料>
◇野依理事長コメント
- アジア特有の諸問題(環境、地域固有の疾病等)の解決に向けて、シンガポールは、同じアジア地域における重要なパートナーと考えています。技術・社会的環境上、アジア地域内にあって、同国は様々な利点を有していると考えております。
- シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)は、バイオポリス構想の下で、生医学研究や、科学工学研究の発展を指向されており、理研の行う研究分野において協力できる範囲が大いにあると考えています。当面、がん関連研究や、環境中病原体に関する研究・診断法開発、あるいは、若手研究者の受入れ・研修等を行う方向で検討中です
- また、同じアジア地域にあって、この分野でのアジアの次世代科学者を育成することは、将来的に大きな意味があり、理研としてそれに大いに貢献できるであろう、と自負しております。これを契機に、アジア地域でのさらに多面的な協力も考慮して行ければと考えています。
◇Philip Yeo長官コメント
- 今日の科学は、正に地球的規模でなされており、シンガポールと日本の研究者間で未だ築かれていない協力の余地は極めて大きいものがあります。
世界的な連携ネットワークを形成していく中で、A*STARと理研との連携は両国のこれまでの素晴らしい関係を一層強固なものとし、さらに、より世界的レベルの研究への道を開くものであります。
- 日本は科学的研究において一つの原動力となっており、また、私ども両国は同じ地域(タイムゾーン)にあって、互いに話がしやすい環境にもあります。
A*STARと理研研究者間の協力に向けた機会と状況には素晴らしいものがあります。本協力覚書を結ぶことで、協力関係開始の第一歩としたいと考えております。
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| 「生命科学、生物工学の分野で研究協力を・・・」と硬い握手をする野依理研理事長(左)とYeoシンガポール・科学技術研究庁長官(右) |
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