| ※1 |
陽電子 |
| 陽電子は、電子の反粒子で、質量、スピンは電子と同じ値を持ちますが、電荷及び磁気モーメントは、電子と逆符号です。また、電子と同様、物質を構成する素粒子の一つであり、レプトン数=1を持ちます。1929年にディラックの相対論的電子論から導かれました。この様な反粒子の存在はディラック自身も困惑したようですが、この3年後、アンダーソンにより、宇宙線の中に発見されました。陽電子は電子に触れると、光となって消滅(対消滅)します。そのため、物質中では、10-10秒という非常に短い間しか存在することができません。 |
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| ※2 |
反水素 |
| 反陽子(陽子の反粒子)と陽電子が水素様に結合した水素の反原子。反水素原子(反陽子と陽電子の結合状態)を大量合成し、水素原子とその性質を比較することにより、自然の最も基本的な対称性(CPT対称性)について重要な知見が得られると期待しています。 |
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| ※3 |
低温多価イオン |
| 多数の電子をはぎ取られた多価イオンは、量子電磁力学的性質や原子核構造など大変興味深い研究対象ですが、同時に、物質との反応性が極めて高く、物質の性質を全く新しい側面から明らかにできるエキゾチックなプローブでもあります。最近の研究から、多価イオン1個が物質の表面に安定したナノ構造を形成することも明らかになってきました。 |
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| ※4 |
ボーズアインシュタイン凝縮 |
| 多数の原子を非常に低温にするとその波動性が顕著になり、互いに波が重なるようになります。これがボーズ統計に従う場合、すべての原子が同じ状態に落ち込むようになります。この様な状態をボーズアインシュタイン凝縮といい、いくつかの原子では既に実現されています。ポジトロニュームの場合、凝縮を起こす温度は原子より遙かに高いのですが、ポジトロニューム自身の寿命が短いため、冷却や高密度化に困難があり、未だ実現されていません。ポジトロニュームのボーズアインシュタイン凝縮を用いてコヒーレントなγ線を発生させる提案もなされています。 |
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| ※5 |
ベータプラス崩壊 |
| 原子核中の陽子が中性子に変化し、その際、陽電子とニュートリノを放出するような原子核崩壊過程をいいます。22Na(ナトリウム)は、2.6年の寿命で、よりエネルギー的に安定な22Ne(ネオン)に変化しますが、その際、90%の確率でベータプラス崩壊をおこし陽電子が放出されます。 |
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| ※6 |
Bq(ベクレル)とCi(キュリー) |
| 1Bq (=2.7x10-11Ci)とは、放射能の強度を表す単位で、単位時間(1秒間)内に原子核が崩壊する数を表します。1mBq (=2.7x10-14Ci)の22Na放射性同位元素からは、毎秒1個ほどの陽電子が放出されます。歴史的には「キュリー」(Ci)が使用されてきましたが、放射線のSI単位系として、1989年より「ベクレル」(Bq)が適用されています。 |
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| ※7 |
高密度電子プラズマ |
| 電子だけからなる非中性のプラズマで、我々は今回の研究を進めるため密度1011cm-3の電子プラズマを生成しました。これはトラップされたプラズマとしては世界最高密度であるといわれています。高密度の非中性プラズマはそれ自体で大変興味深い研究対象となっています。 |