プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
免疫・アレルギー科学総合研究センターが横浜研究所で業務を開始
平成16年4月14日
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)免疫・アレルギー科学総合研究センター(谷口克センター長)は、横浜研究所(小川智也所長)内に建設を進めていた免疫・アレルギー科学研究施設の完成(図1)に伴い、免疫・アレルギー科学に関わる研究者・技術者ら153名を集結し、免疫・アレルギーシステムの基礎的・総合的解明の研究を通し、免疫・アレルギー疾患等の克服に貢献するための国内唯一、世界でも類をみない免疫・アレルギーを対象とする総合研究機関としての本格的活動を開始(図2)します。
 4月16日は新設研究棟の完成式を行うとともに、横浜研究所において記念講演会(対象:招待者および報道関係者)を開催します。


1. 理研横浜研究所について
 理研横浜研究所は、神奈川県、横浜市の協力により理研におけるライフサイエンス研究の一大拠点としてゲノム科学総合研究センター(GSC)、植物科学研究センター(PSC)、遺伝子多型研究センター(SRC)の整備を進めてきました。このたび、免疫・アレルギー科学総合研究センター(RCAI)が加わり、それぞれの研究センターの特徴を最大限に活かした研究センター間の連携により、横浜研究所全体の研究活動に一層の活力を与えていくことが期待されます。すでに、免疫・アレルギー科学総合研究センターでは、GSCとのミュータントマウスを用いたアレルギー、自己免疫疾患発症遺伝子に関する研究、SRCとの免疫疾患にかかる遺伝子多型研究についての協力を開始しています。


2. 免疫・アレルギー科学総合研究センター(RCAI)について
 国民の30%が罹患しているといわれているぜんそく、アトピー性皮膚炎、花粉症等のアレルギー疾患やリウマチ・膠原病等の免疫疾患は、さらに増加傾向にあり、国民の健康上重大な問題となっています。日本社会の高齢化に伴う免疫機能の低下による疾患の増加や、それらに関わる医療費の増大など多くの解決すべき課題を抱えています。しかしながら、従来、免疫・アレルギー疾患の予防・治療法についてはいわゆる対症療法が主であり、各疾患の原因や発症のメカニズムなど人間の体内の免疫システムを理解し、根本的な予防・治療法を構築するための取り組みは十分行われていませんでした。
 このような状況を踏まえ、RCAIは平成13年7月に発足しました(平成14年度:13チーム 平成15年度:5グループ19チーム)。その目的は、免疫のシステムの基礎的・総合的解明を行うことにより、アトピー、花粉症等のアレルギー疾患の原因の究明と治療法の開発、自己免疫疾患やがんの免疫メカニズムを基にした治療法の開発、臓器移植を行う上での拒絶反応の抑制機構の解明とその対応法の開発に資する基礎的知見を築き、21世紀の高齢化社会の医療的基盤の高度化に資する研究を推進することにあります。
 RCAIは、今後の最重要課題である免疫システムとその制御メカニズムの解明に焦点を絞り、アレルギー、自己免疫疾患およびがんに対する新たな治療法の開発、ならびに細胞や組織移植にかかわる重要な機構の解明を目指しています。同時に、鳥インフルエンザ、SARS等最近の課題となっている新興感染症や感染の背景となるメカニズム、なぜ体内で免疫力が持続するのかという免疫記憶の形成・維持機構等、古くから提起されながらほとんどが未解決である免疫学における重要な問題に挑戦していきます。また、RCAIはこれまでの2年間で、「免疫システム」の基本原理に関する新知見や、アレルギー・自己免疫制御・細胞移植等の分野で新たな治療法開発に道を拓く成果を着々とあげてきました。
 さらに今後、これらの基礎研究で得られた知識を最速かつ最大限に疾患予防・治療などの臨床現場に応用していくため、臨床戦略研究プログラムを推進するためのプロジェクトチームを設置し、研究成果の社会への迅速な普及および活用を目指しています。臨床戦略研究の推進にあたっては、独立行政法人国立病院機構相模原病院・臨床研究センター(越智隆弘病院長・秋山一男センター長、神奈川県相模原市桜台18-1)と平成16年3月9日に研究協力協定を結んだほか、千葉大学、大阪大学、東京医科歯科大学などと臨床連携研究を進めていきます。
 平成16年度は新たに臨床戦略研究ユニット制を設け、あわせて28の研究グループ、チーム、ユニットを組織し、新しく5名のユニットリーダーを迎え研究活動を推進します。(図3)
 平成16年度予算額は3,864百万円となっています。

【重点研究課題】
1) 免疫のシステム制御機構解明
免疫システムの機構を解明し、その異常によって起こる病気の発症原因を解明し、疾病の治療法の開発に役立てます。
2) アレルギー制御
国民の3分の1が花粉症を発症している現状を受け、アレルギーの根本的な治療法・予防法の開発を目指します。
3) 自己免疫疾患発症の制御
免疫系が自分の組織を攻撃する自己免疫疾患の発症メカニズムを解明し、その制御を目指します。
4) 免疫細胞移植および臓器移植の制御
がんや自己免疫疾患に対する免疫細胞療法の開発、臓器移植における免疫系の拒絶反応の制御を目指します。

 このほかRCAIでは、免疫研究に不可欠な最先端設備を一元的に整備した中央機器支援体制の確立、海外の共同研究者を中長期に招聘し、研究チームを構成させ最先端研究を実施させる外国人招聘プログラムの実施等、免疫・アレルギー科学の総合研究機関としての特徴を最大限に発揮するための様々な組織運用上の枠組みを構築し、研究活動を展開していきます。


3. 新設研究棟について(図4)
名  称 免疫・アレルギー科学総合研究施設(通称:北研究棟)
敷地面積 6,490m2
延床面積 13,501m2
施設概要 地上7階(プレキャストプレストレスト鉄筋コンクリート造)
実験室・セミナー室の他、実験用マウス飼育施設(免疫疾患モデルマウス等を5万匹収容可能)を設置
建設予算 42億円


4. 完成記念式典について
開催日 平成16年4月16日(金)13:00〜19:00
場 所 横浜市鶴見区末広町1−7−22 理化学研究所横浜研究所内(図5)
スケジュール
(1) 記念講演会 13:00〜16:00(交流棟1階ホール)
「免疫・アレルギー研究戦略」

谷口 克 (RCAI センター長)

「アレルギー研究の進歩と残された課題」

石坂 公成(RCAI 特別顧問)

「免疫病への挑戦」

岸本 忠三(総合科学技術会議 議員)
(2) 施設見学 16:00〜17:00(北研究棟)
(3) 完成式 17:00〜18:00(北研究棟6階)
(4) 記念パーティー 18:00〜19:00(交流棟1階ホール)
*完成記念式典( (1)〜(4) )への出席は招待者および報道関係者のみとなります。
ご了承ください。


(問い合わせ先)

独立行政法人 理化学研究所 横浜研究所 研究推進部企画課
横山 幸司
岡本 直樹

Tel: 045-503-9337
Fax: 045-503-9113
(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室

Tel: 048-467-9272
Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp






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