プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
新しい姿の産官連携による共同研究制度の創設
- リニアモデルからパラレルモデルへ -
平成16年2月16日
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長、以下「理研」という。)は、「産業界の要望を受け止めそれに応える」機能を重視し、「ともに研究開発を行う」ことで、より強力に「産業界へ技術を送り出す」ことを目指した、新しい産官連携の試みである、産業界との「融合的連携研究制度」を創設し、平成16年度から運用を開始致します。
 近年、科学を取り巻く社会の急激な変化は、社会が研究の生み出す成果や技術を単に待つのではなく、社会の側から、役立つ特定の研究の進展や成果を強く求めるようになりました。このことは、大学や公的研究機関等の研究側が基礎から応用へと展開し、生み出された有望な技術や特許を企業が実用化するという「リニア(直線)モデル」では、時代に取り残されかねず、今後は、研究側と企業側が基礎・応用の何れの段階からでも、共に研究開発を進めるパラレル(併走)モデルの実現が必要なことを示しています。
 本制度は、理研に蓄積した、また新たに生まれつつある研究資産等を活用して、企業のニーズに適合した研究課題を、企業自らがイニシアティブをとり、理研と共同で実施することを最大の特長とします。また、企業にとって最も重要な経営のスピードに対応できるよう、迅速な意思決定を最重要視し、制度運用に当たっては、秘密保持・知的財産権の共有・独占的な実施許諾等、企業側の立場に十分に配慮することを原則としています。
 理研は、本制度の創設、運用によって、産業技術開発に関するユニークなプラットフォームを提供し、科学技術創造立国を標榜する日本の産業技術の21世紀における新しい展開に貢献して参ります。


1. 背 景
 理化学研究所は、平成15年10月1日に、野依良治新理事長のもと、それまでの特殊法人理化学研究所から、独立行政法人理化学研究所(以下「理研」という。)として、新しく生まれかわりました。独立行政法人となったことにより、理研は、経営トップである理事長の裁量権が強化され、自らの経営戦略に基づく柔軟な運営が可能となる一方で、多額の国費を投入されている公的研究機関として、産業競争力強化や生活の質の向上等、産業・社会に対する目に見える貢献も強く要請されることとなりました。
 また、最近は、社会の変化が急テンポのため、研究のスピードがその変化についていけなくなる例が生まれています。すなわち、大学や公的研究機関等の研究側と企業等の開発側との関係は、「大学等→TLO(技術移転機関)→企業等」というリニア(直線)モデルが主流で、論文、特許等の形式知が中心のため、開発側が実用化にあたって真に必要とするノウハウ等の暗黙知は移転されず、実用化のスピードも不十分となっています。これを解決するためには、研究側と開発側が併走しながら研究開発を進め、暗黙知を交換する、新しいパラレル(併走)モデルの実現が必要不可欠といえます。
 このような状況をふまえ、理研は、産業・社会との関係を一層強化する新しいシステムづくりとそれに相応しい研究運営の試みとして、「融合的連携研究制度」を創設します。


2. 制度の内容
本制度では、
(1)企業に、産業界との連携を望む理研の研究人材に係る情報データベースを提供
(2)それらの情報をふまえ、企業が理研に提案する研究開発課題(フィージビリティスタディも歓迎します)を検討、評価
(3)本制度のもとでの実施が適当な課題の研究計画を企業と共同で作成
(4)理研フロンティア研究システム(丸山瑛一システム長)に企業からの研究者等の参加を得た時限的な研究チームを編成
の上、研究を実施します。
 また、設置される研究チームの代表研究者(チームリーダー)は、原則として企業側研究者が務めることを想定しています。
 研究チームの編成から運営、解散等、本制度の運用に当たっては、時限的研究プロジェクトによる研究推進の日本における先駆けとなり、様々な運営上のノウハウ等を蓄積している理研フロンティア研究システムを活用します。これは、新しい研究運営方法の開拓をミッションとするフロンティア研究システムにとっても、大きなチャレンジとなります。


3. 今後の展開
 本制度の運用の初年度となる平成16年度は、3億円程度を本制度に措置する予定で、平成16年10月の研究チーム設置を目指して準備を進めます。流動的な部分も含んでいますが、次のようなスケジュールを想定しております。

平成16年4月情報データベース公開、提案募集開始
平成16年6月末提案募集締切り
平成16年7月末採択提案の決定

チーム立ち上げ準備開始
平成16年10月研究チーム設置


(この制度に関する問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所
 基礎基盤・フロンティア研究推進部
 フロンティア研究推進課
  会沢 正樹

Tel: 048-467-9594
Fax: 048-465-8048
(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室

Tel: 048-467-9272
Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp


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