プレスリリース 独立行政法人 理化学研究所
長期在職権付研究員制度の発足
平成16年2月2日
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、研究者の流動性を確保しつつ任期制研究者の将来への不安という問題を解消するため、契約により原則5年間の雇用期間を保証する「長期在職権付研究員制度」を創設し、2月より4名の任期制研究者と契約を締結しました。
 理化学研究所(以下「研究所」という。)は、これまで他の研究機関に先駆け、研究者の流動性を高めるため、任期制研究者による研究体制を推進してきました。しかし、この流動的な体制は、1年契約を原則として評価により更新するため、研究者にとっては将来への不安という問題を抱えるとともに、研究所にとっても長期的な視野に立った研究の取り組みが困難という問題を抱えていました。
 そこで、これらの問題点を改善するため、研究所は、本年1月に改正労働基準法が施行され、研究開発業務においては最長5年間の有期雇用契約が可能となったことを受け、任期制研究者のうち特に優れた研究者に原則5年間の雇用期間を保証する「長期在職権付研究員」の制度を導入したものです。「長期在職権付研究員」は、研究所の研究センターにおけるチームリーダー以上の任期制研究者で、3年以上の研究チーム運営の実績があり、研究レビューを経ている者を対象とし、研究業績と研究チーム運営の両面で優れた能力を発揮している者を各センター長が理事長に推薦し、今後、長期的に優れた研究業績と研究チーム運営が期待できる者を理事会が選考するものです。今回選考されたのは、脳科学総合研究センターの貴雄ヘンシュグループディレクター、宮脇敦史グループディレクター、植物科学研究センターの榊原均チームリーダー、遺伝子多型研究センターの田中敏博チームリーダーの4名で、2月より契約を締結しました。
 本制度の創設により、我が国の任期制研究者制度の活性化が図れるとともに、研究者の適正な流動化の促進に資するものと考えます。


「長期在職権付研究員制度」とは


1. 制度の目的
センターにおける任期制研究者のうち特に優れた研究者の雇用の安定を図ることにより、任期制研究者のインセンティブの向上に資するとともに、任期制においては十分成し得なかった長期的な視野での研究を可能とすることにより、研究内容の充実とともに、一層の研究成果の創出を図ることを目的とする。


2. 制度の位置付け
本制度は、センターにおける任期制研究者のうち特に優れた研究者に、長期在職権という資格を付与するものである。


3. 推薦基準
下記基準に該当する者の中から、センター長が推薦。
(1)センターにおけるチームリーダー以上の任期制研究者で、3年以上の研究チーム運営の経験があり、研究レビューを経ていること。
(2)研究業績と研究チーム運営の両面で優れた能力を発揮していること。
(3)今後、長期的に優れた研究業績と研究チーム運営が期待できること。


4. 契約期間
原則5年間の契約とし、評価により契約期間の更新可能。
(1)契約により原則5年間の雇用期間を保証。
(2)評価により雇用期間の更新可能。
(3)年齢にとらわれず、雇用期間の更新可能。


5. 待遇
あらかじめ雇用期間や期間中の給与等を示して契約を締結。
(1)年俸制とし、給与年額を12等分して毎月支給。
(2)経験、業績を反映した「固定給(生活給)分」、「変動給(業績給)分」及び「退職金相当分」の3層構造。


6. 本制度の特色
(1)採用後の業務及びポスト
1)センターにおけるプロジェクトが継続中の場合は、原則として、現行センターにおいて現行ポスト(チームリーダー等)で、引き続き研究を進める。
2)センターにおけるプロジェクトが終了した場合は、当該センターの新研究チームへの登用、他のセンターへの移籍、獲得した外部資金により事業所に研究ユニット等を設置する等を通じて引き続き研究を進める。
(2)採用後の評価および更新
理事長が契約終了前に評価を実施し、継続の適否を決定。
1)適格との判断がなされた場合は、契約を更新することとし、業績等を処遇(業績給)に反映。
2)不適格との判断がなされた場合は、2年以内に研究チーム又は研究ユニット等を解散し退職するよう、理事長が勧告。
(3)採用後および更新後のメリット
1)採用後において、理事長裁量経費「戦略型」を財源とした研究費の優先配分を考慮。
2)契約更新後において、海外研究機関への滞在等のサバティカル・リーブ(1年以内)を付与。


7. 選考方法
(1)センター長から推薦された者の中から、理事会が選考。
(2)審査方法は、書類審査及び面接審査。
(3)審査項目は、候補者の研究業績、今後の研究計画及び研究チームの運営能力等を多面的、総合的に判断して選考。


(問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所 人事部
次長  宍戸  博
課長代理  田代  聡

Tel: 048-467-9207
Fax: 048-462-4717
(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室

Tel: 048-467-9272
Fax: 048-462-4715
Mail: koho@riken.jp


長期在職権付研究員の略歴


Takao Kurt Hensch
昭和41年生れ37歳。
ハーバード大学卒。カリフォルニア大学大学院修了。Ph.D(カリフォルニア大学) 平成8年10月より理化学研究所。現在、脳科学総合研究センター臨界期機構研究グループディレクター(兼)神経回路発達研究チームリーダー。
主要な研究業績: 大脳の発達「臨界期」を司る要因が情報伝達の抑制性であることを解明。
睡眠の経験依存的発達とその臨界期の発見。
宮脇 敦史(みやわき あつし)
昭和36年生れ42歳。
慶應義塾大学医学部卒。大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了。医博(大阪大学) 平成11年1月より理化学研究所。現在、脳科学総合研究センター先端技術開発グループディレクター(兼)細胞機能探索技術開発チームリーダー。
主要な研究業績: 蛍光タンパク質を中心とした蛍光イメージング技術の開発により、細胞内シグナル伝達など神経細胞生物学における現象を解明。
榊原 均(さかきばら ひとし)
昭和40年生れ38歳。
名古屋大学農学部卒。名古屋大学大学院農学研究科博士課程後期課程中退。農博(名古屋大学) 平成12年10月より理化学研究所。現在、植物科学研究センター代謝機能研究グループコミュニケーション分子機構研究チームリーダー。
主要な研究業績: 無機窒素栄養に応答した植物形態調節の重要原因遺伝子の同定。
田中 敏博(たなか としひろ)
昭和41年生れ37歳。
東京大学医学部卒。東京大学大学院医学系研究科修了。医博(東京大学)
平成12年4月より理化学研究所。現在、遺伝子多型研究センター心筋梗塞関連遺伝子研究チームリーダー。
主要な研究業績: SNP解析による心筋梗塞関連遺伝子の発見。

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