Press Release 理化学研究所
平成15年9月25日
「新規プロテオーム創薬共同研究制度」参加企業の募集について
- タンパク3000プロジェクトの一環として理化学研究所が成果を産業界に移転する制度を開始 -

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 理化学研究所(小林俊一理事長)は、文部科学省が平成14年度から推進しているタンパク3000プロジェクト(タンパク質基本構造の網羅的解析プログラムで)の一環として、本研究の成果を産業界へ効率よく移転することを目指して、新規プロテオーム創薬共同研究制度(パートナー制度)の制度設計を行い、11月から関連企業に参加を呼びかけて共同研究を開始します。本制度は、タンパク3000プロジェクトのナショナルプロジェクトとしての側面を重視し、(財)かずさDNA研究所、東京大学医科学研究所菅野助教授から提供されたヒトcDNAクローンや理研保有のマウスcDNAクローンを有効に活用して、タンパク質の構造及び機能の解析を網羅的に行い、その成果について効率的に産業界と連携し、日本の知的所有権取得の最大化を図るものです。本制度における基本戦略と新規性は以下の3点です。1)理研とパートナー企業は、共同研究を実施する対象タンパク質を共同で選定するための基本共同研究を実施します。理研は個別のタンパク質に関する研究進捗をWebを用いて迅速にパートナー企業に通知し、企業からの申し込みにより、非独占的共同研究契約を締結し、ノウハウやタンパク質試料を提供します。2)理研ではこの共同研究の成果物である薬物候補化合物関連特許に関しては、企業が単独で完成、出願、維持するのが適切であると考え、特許を受ける権利をパートナー企業に有償で提供します。公的な研究機関としては、非常に斬新な取り組みになります。3)理研が独自に発明したタンパク質関連特許の情報も、パートナー企業に提示し、申し込みのあった企業と企業化の視点から共同研究を実施し、成果を優先権主張出願等します。この際には、理研はパートナー企業に対して有償で独占的実施権を与えます。
 このパートナー制度の特徴は、公的な研究機関である理研が実施する応用化研究と、企業が実施する産業化研究を区別して、しかも同時進行的に研究分担することにあります。また、特許を受ける権利の譲渡により、共同研究の成果である知的財産権を企業または理研で集中的に管理することができる画期的なシステムです。日本のタンパク質構造・機能研究は、現在学問的に世界をリードする立場にありますが、本制度の実施によって、産業移転の面でも世界をリードするものとなることが期待できます。上記パートナー制度の趣旨に御理解頂き、理化学研究所と共同研究を進めていく行う企業を募集いたします。応募方法などの詳細は、構造プロテオミクス研究推進本部(RSGI)のホームページ(http://www.rsgi.riken.go.jp)等でお知らせします。また、パートナー制度の説明会を10月1日(水)15時及び10月16日(木)15時から、理化学研究所横浜研究所交流棟1F交流棟ホール(神奈川県横浜市鶴見区末広町1-7-22)で開催します。



1.本パートナー制度の趣旨
 理化学研究所(小林俊一理事長)は、文部科学省が平成14年度から推進しているタンパク3000プロジェクト(うち理研は、タンパク質基本構造の網羅的解析プログラムとして2500の構造、機能解析を行います)の一環として、本研究の成果を産業界へ効率よく移転することを目指して、新規プロテオーム創薬共同研究制度(パートナー制度)の制度設計を行い、11月から関連企業に参加を呼びかけて共同研究を開始します。このプロジェクトパートナー制度は、(財)かずさDNA研究所、東京大学医科学研究所菅野助教授等のヒトcDNAクローンや理研保有のマウスcDNAクローンを活用してタンパク質を調製し、横浜研究所のNMR(核磁気共鳴装置)と、播磨研究所の大型放射光施設SPring-8を利用して、タンパク質の立体構造、機能解析等を行うものです。パートナー制度このプロジェクトでは、より有機的で、迅速かつ効率的な産業界との連携を踏まえ、創薬に有用なタンパク質を「プロテオーム創薬」の対象クローンとして、順次、立体構造・機能解析を進める計画です。



2.企業との共同研究の概要
1) パートナー制度に参加していただける企業と理研はパートナー制度全体の仕組みを規定する基本共同研究契約を締結し、共同研究対象を選定するための基本共同研究を実施致します。
2) パートナー制度基本共同研究の実施期間は、原則として、平成15年度からタンパク3000プロジェクト終了後1年間までを予定しています。参加は、随時可能です。
3) 基本共同研究契約の締結後、理研がタンパク質調製や構造解析に成功した創薬ターゲットタンパク質情報等を定期的に企業に提供いたします。(対象とするタンパク質の選定にあたり、企業からの御要望・情報を参考にいたします。)
4) 理研からの情報等を基に、パートナー企業に共同研究対象とするタンパク質を選定して頂き、理研との間で個別共同研究契約(非独占的契約)を締結して頂きます。
5) 企業は、この個別共同研究契約に基づいてハイスループットスクリーニング等を通じ、医薬品候補物質の探索等産業化を目途とした研究開発を行って頂きます。
6) 理研は、個別共同研究契約を締結した企業に対しタンパク質試料の供給(実費)・立体構造解析・機能解析の情報の提供等を行います。
7) 共同研究によって得られた知的財産については、企業における取得・活用を優先します。



3.参加を想定している企業
1) 国内に研究拠点を有する企業であること。
2) パートナー制度の趣旨を十分に理解し、理研との共同研究に基づいて、創薬開発に向けて最大限の努力をしていただける企業であること。



4.公開用ウェブサイトについて
第1回: 平成15年10月1日(水)
15時00分〜17時00分(於:理研横浜研究所交流棟1F交流棟ホール)
第2回: 平成15年10月16日(木)
15時00分〜17時00分(於:理研横浜研究所交流棟1F交流棟ホール)

詳細はRSGIホームページ http://www.rsgi.riken.go.jp等でご案内します。
基本共同研究開始(予定) : 平成15年11月上旬以降随時
基本共同研究終了(予定) : タンパク3000プロジェクト終了後、1年間の予定



(問い合わせ先)
理化学研究所
(運営担当)
RSGI企画調整室 鈴木 隆
TEL:045-503-9471 FAX:045-503-9113
(契約担当)
研究調整部 前川治彦
TEL:048-467-9762 FAX:048-462-4609
(報道担当)
広報室 駒井秀宏
TEL:048-467-9272 FAX:048-462-4715




(参考) タンパク3000プロジェクトとは
文部科学省において、平成14年度より我が国発のゲノム創薬の実現等を目指し、我が国の研究機関の能力を結集して、5年間でタンパク質の全基本構造の1/3(約3000種)以上のタンパク質の構造及びその機能を解析し、特許化まで視野に入れた研究開発を推進することを目的としたプロジェクト。このプロジェクトにおいて理研は、タンパク質の基本構造の網羅的解析プログラムを担当しております。






図1