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研究グループでは、これまでマウス完全長cDNA100万クローン以上の末端塩基配列データを、日本DNAデータバンク(DDBJ)および理研内のホームページ(http://genome.gsc.riken.go.jp/)で公開してきました。また、2002年12月にFANTOM※2(Functional ANnoTation Of Mouse)マウスcDNA機能アノテーション国際会議において、約6万クローンのマウスcDNAの完全長配列について、機能アノテーション情報を付与し、マウス百科事典の世界標準化を目指した機能注釈などについて発表してきました。それにもかかわらず、遺伝子クローンを産学のすべての研究者に届けるために利用されてきた凍結法(凍結大腸菌)または抽出DNAを送付する方法には、多大な手間と経費がかかるという問題がありました。「DNAブック」は、この問題をクリアすることを目的に開発された新しいコンセプトにもとづく方法です。
| DNAブックでは、 |
| (1) | 雑誌のページに、DNAを固相化することで、論文と同時に遺伝子DNAを読者に届けることができます。 |
| (2) | 読者は、PCRなどにより容易にDNAを回収できます。ここではcDNAプラスミド溶液を水溶紙にスポットし乾燥させたDNAシートから、DNAがスポットされた部分を切りだしPCRチューブに移し、そこへPCR溶液(酵素、プライマー、基質、塩)を加え、そのままPCR反応を行うことにより、cDNAを容易に回収することができます。 |
DNAブックは、さまざまな長さのcDNA(インサート長;732〜4,896ベース)、書籍の出版、輸送、保管のときにさらされる低温から高温(-40度/14時間から140度/5秒)、高圧(17メガパスカル)、長期保存(3ヶ月以上)に対応することができます。そして、固相化されたDNAは、高い割合で(95〜100%)回収できます。
DNAブックは、全世界に広がるクローンユーザーにとって、極めて便利なものになります。-80度の冷蔵庫の中に入れたDNAバンクと同じDNAクローンを、常温で研究者の本棚に設置できます。使用する必要性が生じたら、2時間のPCRでDNAを入手できます。DNAブックにより、クローン頒布会社に注文してから、従来のように2週間から数ヶ月の間、待つ必要性はありません。
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