理化学研究所(小林俊一理事長)は、量子コンピューター実現に向けた、新しい電子集積回路を提唱しました。理研フロンティア研究システム(丸山瑛一システム長)単量子操作研究グループデジタルマテリアル研究チームのFranco Nori(フランコ・ノリ)チームリーダー、同グループ巨視的量子コヒーレンス研究チームの蔡兆申(ツァイ・ヅァオシェン)チームリーダー(NECラボラトリーズ基礎研究所主席研究員兼務)らの研究グループによる研究成果です。
量子力学を使った情報処理の可能性が1980年代初頭に示された後、量子コンピューターは新しい情報処理技術として注目されています。量子コンピューターを実現するためには、多くの量子ビット(量子情報処理における基本単位)を集積し、複数の量子ビット間を選択的につなぎ合わせ、論理回路を構築できなくてはなりません。研究グループでは、1ビットレベルで実現しているジョセフソン電荷量子ビットと呼ばれる超伝導固体素子を用いた集積回路で、量子ビットを効率的に集積することが可能な電子回路を提案し、理論的に数百ビットを扱うことが可能であることを世界で初めて示しました。
今後は、本成果を実証するため実際に電子回路を製作し、今まで実現が難しかった複数ビットの制御を実験的に確かめ、量子コンピューター実現に向けて取り組んでいくことになります。本研究成果の詳細は、米国の学術雑誌『Physical Review Letters』11月4日号に掲載されます。 |