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理化学研究所(小林俊一理事長)は、パーキンソン病の原因となる異常タンパク質を分解するメカニズムを世界で初めて解明しました。理研脳科学総合研究センター(伊藤正男所長)運動系神経変性研究研究チーム(高橋良輔チームリーダー)の今居譲研究員らを中心とした研究グループ*による成果です。
パーキンソン病は、運動機能に重要なドーパミン神経※1が変性することによって引き起こされます。その結果、手足にふるえが現れ、姿勢維持や歩行に障害が生じ、発病後数年から十数年で寝たきりになります。若くして発病する遺伝性のパーキンソン病は、「パーキン」と呼ばれるタンパク質分解に関わる酵素が機能しないため、ゴミとなった特定のタンパク質がドーパミン神経に蓄積することによって起こります。
本研究では、パーキンに結合しパーキンの働きを助けるタンパク質「Hsp70」と「CHIP」を同定しました。さらにHsp70とCHIPが、パーキンによる“不要になったタンパク質の分解”を助けることを発見しました。Hsp70は、ゴミとなったタンパク質が神経細胞内に蓄積しておこるアルツハイマー病などの他の神経変性疾患でも、その症状を改善することが報告されているタンパク質であり、パーキンソン病の治療法だけでなく、神経変性疾患に普遍的な治療法開発に寄与するものと期待されています。
本研究成果は、米国の学術雑誌『Molecular
Cell』の7月号に掲載されます。
*高橋良輔(理研脳科学総合研究センター〔BSI〕運動系神経変性研究チーム)、今居譲(同)、端川勉(BSI神経構築技術開発チーム)、赤木巧(同)、中山敬一(九州大学生体防御医学研究所)、畠山鎮次(同)
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