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理化学研究所(小林俊一理事長)はこのたび、大型放射光施設SPring-8の放射光を用いたタンパク質の構造解析に使用する結晶を自動生成するとともに、結晶の成長状況を管理できる“オールインワン”のロボットシステム「TERA(テラ)」を世界で初めて開発し、本格的に運用を開始しました。理研播磨研究所構造生物物理研究室の宮野雅司主任研究員(ハイスループットファクトリー・ファクトリー長)、菅原光明研究員および竹田理化工業株式会社、エステック株式会社、アドバンソフト株式会社による研究成果です。
本システムでは、72穴の結晶化プレート2,500枚をバーコードで管理し、プレートごとにpH、沈殿剤や添加物の種類、濃度といった条件を変えてタンパク溶液を仕込むことができます。さらにバーコードで管理された観察スケジュールに沿って自動で顕微鏡写真を撮影。写真を画像データとしてデータベースに取り込み、ウェブ上で結晶の状態を評価・観察が行えるなど、一連の作業が一つのシステムで効率的に行えることがTERAの最大の特徴となっています。
タンパク質の構造を決め、その機能を探る“構造ゲノム科学”研究は、急速な勢いで進展しており、国際的に競争が激化しています。優れたタンパク質結晶を迅速に生成し、SPring-8から発せられる強力な放射光で構造解析することは、わが国が構造ゲノム科学研究をリードしていく上で極めて重要です。本システムの本格稼働により、今まで手作業に頼ってきたタンパク質結晶化の作業効率が飛躍的に向上するものと期待されます。
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