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理化学研究所(小林俊一理事長)は、植物の成長促進などに関わる植物ステロイドホルモン、「ブラシノステロイド」の情報を核内に伝える働きをする新規タンパク質を世界で初めて発見しました。理研植物機能研究室の吉田茂男主任研究員、浅見忠男副主任研究員、中野雄司研究員、および米国・ソーク研究所の研究グループによる成果
です。
研究グループは、理研で開発したブラシノステロイドの生合成を阻害する薬剤を活用し、この阻害剤でブラシノステロイドの量
が減少しても健全に伸長するシロイヌナズナの変異体を発見。この変異体では、ホルモンの情報を細胞質から核内へ移行して伝達するタンパク質に変異が起きていることを明らかにしました。この変異タンパク質が常に核内に存在し続けることで、ホルモン情報のシグナルが常に「オン」の状態となり、ブラシノステロイドによる効果
が持続していると考えられます。この変異を農作物にも応用することによって、高価なブラシノステロイドを使用することなく、成長促進、収穫量
の増加、環境ストレス耐性などを農作物に持たせることが可能となります。また、発見されたタンパク質は、核内へ情報を伝達する新規の物質であり、動物においても類似のタンパク質が存在することが予想され、医学分野での研究の発展に寄与する可能性が期待されます。
本研究成果は、米国の科学雑誌『Cell』4月19日号に掲載されます。
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