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異なった軌道にある中性子は、違った運動量分布を持っており、2S1/2軌道の中性子と1D5/2軌道の中性子では運動量の分布は大きく違っています。今回の理論を導くに当たり、運動量分布を正確に測定することによって軌道の情報を得ました。
23O核の中性子は15個あるため、内側から1S1/2が2個、1P3/2が4個、1P1/2が2個と詰まっていき、ここで一応閉殻になります(図4)。通常では次に、1D5/2に6個、2S1/2に1個が詰まっていると考えられます。このような場合には、最後の1個の中性子の運動量分布は、S軌道を反映した広がりの狭いものになります。さらに2個目の中性子は、D軌道の中性子を取り出すことになるため、運動量分布は拡がったものになるはずです。
ところが、実際中性子を1個取り出す反応(23O
→
22O)および、2個取り出す反応(23O
→21O)を観測し、運動量分布を調べたところ、2個の中性子は両方ともS軌道を反映した狭いものであることが分かりました。この結果は、最終殻の中性子のうち2個が2S1/2軌道に入っていることの証拠であり、軌道の順序が換わって2S1/2軌道のエネルギーが1D5/2より低くなることを示しています。このことは、上述したような理由で、中性子数「16」の新しい魔法数ができる原因となったと考えられます。
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