|
理化学研究所(小林俊一理事長)は、生きた細胞内における現象を詳細に観察することができる新しい蛍光タンパク質の開発に成功しました。理研脳科学総合研究センター(伊藤正男所長)細胞機能探索技術開発チームの宮脇敦史チームリーダー、永井健治研究員(現・科学技術振興事業団さきがけ研究21研究員)らの研究グループによる研究成果です。
細胞生物学、分子生物学などの研究分野では、生きた細胞内で特定の場所や機能タンパク質を蛍光標識して観察することが非常に重要です。蛍光標識に使用される物質の中でも、発光クラゲに由来する緑色蛍光タンパク質(GFP:Green
Fluorescent
Protein)は、自ら発色団※1を形成することができるために、遺伝子発現のレポーターやタンパク質の標識として多用されてきました。しかし、発光の効率(発色団形成効率)が低く、発光するまでの速度が遅いなどの技術的制約があるため、これらを克服できる新しい改変GFPの誕生が望まれていました。
新しく開発した改変GFPは、より早く・明るく蛍光を発することができ、その効果は、殊にほ乳類の生体内温度(37℃)で顕著です。この改変GFPを使用することによって、従来生きた細胞内で見ることができなかった現象を、蛍光観察することが可能になりました。本技術を活用することによって、脳機能研究の解明に大きく貢献するほか、広くは発生過程や疾病などのメカニズムの理解にもつながります。
本研究成果は、米国の科学雑誌「Nature
Biotechnology」2002年1月号に掲載されます。
|