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わが国における農作物への病害虫被害は、高温多湿となる夏季に集中しており、 特にカンキツ類、ナスにおいては、ダニ類の発生による被害が顕著となっています。これらは、夏から冬に至るまで収穫期が長期間に及ぶため、迅速かつ効率的な駆除の必要があり、農薬の使用が不可避となっています。一方、農薬の継続的使用は、病害虫の薬剤耐性が生じ、使用回数の増加及び高濃度散布をもたらすこととなり、短期、長期的に生態系や環境に対する影響が心配されております。
当研究所では、農薬開発のコンセプトを“自然環境への配慮(SaFE:Safe
and Friendly to
Environment)”として研究を進めています。農薬として登録するには厳しい安全性評価を受けなければなりません。それでも長期間使用すると、時としてこれまで経験のない影響※が現れることがあります。微生物制御研究室ではこの点を考慮して、これまで長期間使用し続けても強い影響の報告されていない化合物は比較的安全ではないかと考えました。そして農薬の有効成分として食品や食品添加物に注目して研究を進めています。
これまでのSaFEの成果としては、ぶどう酒の発酵調整に使用する炭酸水素カリウムを有効成分とした“うどんこ病”の防除剤など4種類(そのうち3種類が現在も市販されている)の農薬の開発に結びついています。
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