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理化学研究所(小林俊一理事長)は、順天堂大学医学部と共同でパーキンソン病の病因解明に大きく貢献する成果をあげました。理研脳科学総合研究センター(伊藤正男所長)運動系神経変性研究チームの高橋良輔チームリーダー、今居譲研究員、順天堂大学医学部脳神経内科の服部信孝講師、水野美邦教授らのグループによる成果です。
パーキンソン病は、運動機能に重要なドーパミン放出細胞の変性によっておこるといわれており、運動のスムーズな遂行が障害され、“手足がふるえる”などの症状が徐々にあらわれて進行し、数年後には寝たきりになり、やがては死にいたる難病です。
遺伝性パーキンソン病の多くは、「パーキン」と呼ばれるタンパク質を分解する酵素の欠損によって起こります。本研究で得られた成果は下記の通りです。
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パーキンによって分解が促進される細胞膜のタンパク質、パエル受容体を同定し、患者脳でパエル受容体が分解されずに蓄積していることを発見。
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パエル受容体が過剰に蓄積すると神経細胞死を引き起こすことが判明。
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パエル受容体は、神経細胞の中でも特にドーパミン神経※1に多く発現しており、遺伝性パーキンソン病でドーパミン神経が障害される主な原因と考えられます。これらの研究成果は同じドーパミン神経の変性を特徴とし、パーキンソン病の9割以上を占める“孤発性※2パーキンソン病”の病因解明・治療法開発にも寄与するものです。
本研究成果は、パーキンソン病の研究を大きく前進させる画期的成果であり、米国の科学雑誌「Cell」の6月29日号で発表されます。
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