Press Release

  理化学研究所
平成12年12月26日

構造ゲノム科学研究に関する共同研究について

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 理化学研究所(小林俊一理事長)は、持田製薬株式会社(持田直幸社長)と構造ゲノム科学に関する共同研究を行うことで合意しました。両者は、タンパク質について、協力して医薬品候補物質の探索を行っていきます。当研究所では、横浜研究所ゲノム科学総合研究センター(GSC)のタンパク質構造・機能研究グループ(横山茂之プロジェクトディレクター)より、両者で選択した疾患に関係する可能性のあるタンパク質候補と、その高次構造情報を提供していきます。研究期間は5年です。
 当研究所では今後も、ポストゲノム研究を推進していく上で得られた研究成果を効率的に産業界に移転するため、産業界との共同研究を積極的に進めていきます。


 

1.構造ゲノム科学研究に関する共同研究の趣旨

 共同研究は、ポストゲノムに向けて、遺伝子産物であるタンパク質の機能を明らかにするとともに、そのタンパク質の活性中心などの構造情報に基づき、疾患に関係するタンパク質の機能を制御する低分子化合物を、コンピューターにより理論的に解明することを目的としています。さらに両者の技術を集結し、タンパク質の機能と構造から候補薬剤を論理的に探索することで、より選択的で有効な医薬品の効率的な開発につながることが期待されます。


2.共同研究の概要

1)

当研究所では、GSC・タンパク質構造・機能研究グループが中心となり、ゲノム情報解析技術、遺伝子発現技術および遺伝子産物の高次機能決定技術により、両者で選択した疾患に関係する可能性のあるタンパク質候補とその高次構造情報を提供します。同グループでは、ポストゲノムの重要課題であるタンパク質の構造機能研究(Structural Genomics研究)を国際的な枠組みで開始しており、この基礎研究から得られる成果の実用化を目指しています。

2)

持田製薬(株)は、インターフェロン、Fas/Fasリガンド※などで培ったバイオテクノロジー技術と、タンパク質の構造に基づくコンピューターを利用した創薬技術、すなわちStructure-based Drug Design(SBDD)により、医薬品候補物質のスクリーニングと最適化を担当します。
※「Fas/Fasリガンド」
 アポトーシス(細胞死)を誘導する因子がいくつか知られており、Fas/Fasリガンドシステムはその一つ。Fas(Fas抗原)とFasリガンドはともに膜結合タンパク質で、FasリガンドがFasに結合することにより、細胞膜上にFasを発現している細胞にアポトーシスを誘導するシグナルが流れ、最終的には染色体や核、細胞の断片化をともなうアポトーシス現象が起こります。

3)

研究期間は5年間、両者が同意した場合には、契約を延長することができます。

4)

共同研究に必要な研究費は両者で負担します。

5)

共同研究実施中に得られた知的財産権は共有です。

6)

共同研究の成果は原則、公表しますが、その時期及び方法等については両者協議の上、決めるものとします。

 

 

 

(問い合わせ先)    

理化学研究所 
横浜研究所 研究推進部  宮内 臣信 
  TEL:045-503-9117 FAX:045-503-9112
GSC・タンパク質構造・機能研究グループ 後藤 暎二
  TEL:045-503-9197 FAX:045-503-9195
(広報道担当) 広報室  嶋田 庸嗣
  TEL:048-467-9272 FAX:048-462-4715