Press Release

  理化学研究所
平成12年9月28日

第4回理化学研究所アドバイザリー・カウンシル

(RAC)会議の報告書について

プレス発表情報一覧


 


 

 理化学研究所(小林俊一理事長)の外部評価機関である「理化学研究所アドバイザリー・カウンシル(RAC)」は、今年6月に開催された第4回RAC会議の報告書(本文:別紙1、和文仮訳:別紙2)をまとめました。第4回RACの提言は、当研究所の“理研の将来に関する考え方”の中に示されている5つの基本方針を基に作成されています。提言の主な内容は、「理研の自立性、柔軟性およびユニークな特徴を維持するための基本計画の策定」、「国際的に優れた研究者を確保する具体的計画の作成、および採用を促す支援体制の整備」、「二つの研究システム(主任研究員研究室とセンター群)を調和・発展させるための運営体制の確保」、「他機関との協力関係の構築」となっています。
理研では、これらの提言を踏まえ、今後積極的に対策を講じていく予定です。

 

RACについて

 理化学研究所ではかねてより、個々の研究活動・研究プログラムごとの外部評価を進めてきました。一方、各研究組織の運営に関しては、個別にアドバイザリー・カウンシル(AC)を設けて助言を求めています。これに対しRACは、理化学研究所全体としての活動と運営全般に対してレビューを行い、評価を求めるものです。
 今回、理研はこのACのシステム再編を行いました。各センターが所有する既存のAC(FRAC[フロンティア研究システム]、BSAC[脳科学総合研究センター]、GSAC[ゲノム科学総合研究センター])に加え、主任研究員研究室(IL)制度について評価を行うILACを新たに設置。それによって、今回開催された第4回RAC会議では、各ACからの報告を取りまとめて研究システム全体を評価し、理研の将来についての助言を与えることになりました。

 

第4回RACの概要および提言

1.第4回RACについて

 平成12年6月4日〜7日の4日間、和光本所と東京で開催。評価委員は、各研究組織のAC委員長を含む、多様な分野を有する国内外の世界的な科学者14名で構成されました。そして、議長である、Prof.H.G.Friesen(カナダゲノム会議議長)によって、評価・提言内容のとりまとめが行われ、報告書が提出されました。

 

2.提言の概要

 第4回RACの提言は、“理研の将来に関する考え方”の中に記述されている5つの基本方針を大枠として、作成されました。

理化学研究所の将来に関する考え方

1

我が国の中核的総合研究所としての役割を果たす。

2

国内外の最も優秀な研究者を結集し、機動的研究体制をとる。

3

プロジェクト制の重点的研究群と、プロジェクトを生み出す土壌となるインキュベーター的研究群で構成する。

4

大学との差異を明確にしつつ、大学、産業界との相補的協力関係を尊重する。

5

常に適正規模を意識し、安易な拡大主義を排する。

 

 

1)理研の将来に関する提言

・1および5に関連して:

 理研の自律性、柔軟性およびユニークな特徴は、日本の科学行政に変化があっても維持されるべきである。理研は、その未来像、使命、義務、戦略および独自性を主張するために基本計画を早急に策定する必要がある。そのためにも科学の最先端を捉え、理研の採るべき研究戦略について、定常的に理事長に提言を行うためのプライオリティー委員会を設置すべきである。

・2に関連して:

 理研の戦略的目標の実現を支える優秀な研究者を確保し、具体的な計画を作成する必要がある。また、国際的に優れた研究者の採用を促すために支援体制の整備が重要である。

・3に関連して:

 

 プロジェクト制の重点的研究を実施するセンター群とプロジェクトを生み出すインキュベーター的役割をになう主任研究員研究室(IL)という2つの制度の共存は、理研の経営上極めてチャレンジングである。両システムの調和と相乗効果が最大に確保されるよう、それぞれの長所、短所を明確にし、運営に関しては積極的な指導力が発揮される必要がある。

・4に関連して:

 理研内および国内外の研究機関との共同研究を容易にする必要がある。その際、相乗効果を上げる関係を構築することに重点をおくべきであり、理研内外において国境、地域差、研究あるいは学問領域を超えて共同研究が自然に発展することを奨励するシステムが重要である。また、理研の高い研究水準は、重要で価値のある知的財産を多量に生み出す可能性を有している。その活用のためには、研究・技術部門と同様に質の高い技術移転部門の整備をさらに進める必要がある。

 

2) 個々のACの報告書に関する横断的提言

RACは、理研の科学研究について直接には評価しなかった。しかし、RACが4つのACの報告書をもとに結論づけたことは、理研の科学研究は国際的にレベルが高く、中には並外れて優れた研究も含まれる。理研は、幅広い研究分野で優れた科学を継続して生み出していることを誇るべきである。
  理研は、科学的成果の評価を行う場合、例えば、特別な国家目的や計画等の達成度よりは、むしろ国際的基準を念頭に置くことが必要不可欠であるとRACは考える。理研の研究水準は、全ての分野を通じて世界の上位10%の中に位置づけられるべきである。常に科学の質が、絶対的に優先されなければならない。どの既存の分野においても、もし理研内で質の高い結果が得られない場合、その分野からは撤退すべきである。


 

3.今後の対応

 理化学研究所は、今回報告された数々の提言を真摯に受けとめ、十分検討の上出来るだけ迅速に対応し、その結果を第5回RACで示す予定です。今回の提言を、当研究所の今後の組織運営に反映させ、国際的に高い評価の研究所としてさらなる発展を目指していきます。


 

 

(問い合わせ先)

理化学研究所 アドバイザリー・カウンシル事務局
      事務局長 矢吹 英雄
      TEL:048-467-9223 FAX:048-467-8091

      (報道担当)  広報室  仁尾、嶋田
      TEL:048-467-9271 FAX:048-462-4715