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日本原子力研究所(理事長 吉川允ニ)、理化学研究所(理事長 有馬朗人)、及び(財)高輝度光科学研究センター(理事長 伊原義徳)は、昨年10月の供用開始より、蓄積リングの電流値を許可上限値である20mA(ミリ・アンペア)以下におさえながら、大型放射光施設SPring-8(Super Photon ring-8GeV)による放射光利用研究を推進してきました。この間、蓄積リングの当初設計値である100mAのビーム電流(注*)の蓄積に向けてのビーム調整等を進めてきましたが、平成10年5月13日に100mAビーム電流の蓄積に成功しました。
SPring-8は、平成10年4月21日にビーム電流増強に係わる変更申請の許可を受け、5月13日17時より、蓄積リングで100mAのビーム電流の蓄積に向けてのビーム調整を開始しました。同日21時18分に許可値の100mAをほぼ実現する99.24mA、ビーム寿命約20時間のビーム電流の蓄積に成功しました。
放射光施設では、高エネルギーになるほど高電流値での運転には高度な技術が必要とされます。8GeVという高エネルギーのSPring-8が、今般当初設計通りの100mAを達成したことは、改めてSPring-8の加速器技術の高さを示すことになります。
SPring-8の100mAの達成により、世界で最も輝度の高い高性能放射光の発生が可能になり、世界レベルの基礎的・先端的研究への利用の見通しがつきました。
SPring-8は、ESRF(European Synchrotron Radiation Facility、欧州13カ国共同施設)及びAPS(Advanced Photon Source、米国)と並ぶ第三世代の放射光施設の一つです。その高輝度・高エネルギー放射光は、21世紀の科学技術の発展を担う優れた実験手段として、物理学、化学、生物学などの基礎科学から、ライフサイエンス、工学、情報・電子、医療など広範な研究分野への利用が期待されています。
なお、SPring-8は、日本原子力研究所及び理化学研究所が共同で建設整備を行い、(財)高輝度光科学研究センターが運営管理を行っている研究施設です。
(注*)ビーム電流:細い流れとなって進行する電子の集団で、電子の数を電流値で表示する。

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A:ビーム電流値 平成10年5月13日21時04分:蓄積開始 100mAでのビーム寿命は、ほぼ予想されていた20時間を実現。これは、昨年の10月からの真空容器の放射光による焼き出し(注**)が順調に進められたことを示す。 (注**)焼き出し:容器内圧力を低下させる(=真空度をよくする)ために真空容器内の機器を放射光で照射しながら、容器の真空度を改善する作業 |
| 平成9年3月 | 蓄積リングのビーム試験調整運転開始 |
| 平成9年4月 | フェーズ1の電流値20mAにほぼ近い19.6mAを達成。これにより、同年10月からの供用開始への見通しがつく。 |
| 平成9年10月 | 共同ビームラインの供用開始 蓄積リングのビーム電流は当初設計値の約20%(20mA)で放射光の利用が開始された。その後、供用と併行して100mAの蓄積が可能となる真空度まで、電子による真空チェンバー内の機器の焼き出しが実施され、平成10年2月にほぼ必要な真空度が実現された。 |
| 平成10年3月11日 | 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」に基づき、20mAから100mAに変更申請 |
| 平成10年4月21日 | 上記変更申請の許可 |
| 平成10年5月13日 | 100mAの達成 |
| 全般的事項 |
日本原子力研究所 関西研究所 放射光利用研究部 理化学研究所 播磨研究所 研究推進部 (財)高輝度光科学研究センター 広報室 |
| 技術的事項 | (財)高輝度光科学研究センター 加速器部門 熊谷 教孝 E-mail: ayako@spring8.or.jp TEL: 07915-8-0861 FAX: 07915-8-0870 |