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理化学研究所が「播磨研究所」を開設

平成9年9月26日
理化学研究所

 理化学研究所(有馬朗人理事長)は、大型放射光施設(SPring−8)の利用を中 心とする先端的研究を推進する研究拠点として、SPring−8敷地内(兵庫県赤穂郡 上郡町、佐用郡三日月町、揖保郡新宮町)に「播磨研究所」を本年10月1日に開設しま す。
 理化学研究所は、「科学技術(人文科学のみに係るものを除く。)に関する試験研究を 総合的に行い、その成果を普及することを目的」(理化学研究所法第1条)とし、1958年 (昭和33年)10月創設され、主たる事務所(本所)を埼玉県和光市に置くほか、従たる事 務所(支所)として、茨城県つくば市に「ライフサイエンス筑波研究センター」(1984年 (昭和59年)10月開設)を置き、基礎研究から応用研究まで多様な研究活動を展開してお ります。
 播磨研究所は、「ライフサイエンス筑波研究センター」に次いで、理化学研究所の2番 目の支所ということになります。

 播磨研究所は、構造生物学研究棟を研究活動の中心として、平成5年度から開発研究を 開始した構造生物学研究用理研ビームライン(小角散乱及び結晶回折ビームライン)及び平成7年度から開発研究を開始した構造生物学研究用理研ビームライン(X線吸収微細構造及び結晶動的構造解析ビームライン)を利用した構造生物学研究を実施するとともに、平成8年度から開発研究を開始した物理科学研究用理研ビームライン(高コヒーレントX 線ビームライン)を活用した物理科学研究を実施することにより、理化学研究所の関西地 域での研究拠点として幅広くかつ先端的な研究事業を展開していきます。

 なお、「SPring−8」の供用開始と「播磨研究所」の開設を記念して、平成9年10月30日(木)午後1時より、ホテルサンガーデン姫路 光琳の間において、第19 回理化学研究所科学講演会を開催いたします。

     (問い合わせ先)

理化学研究所 播磨研究所計画推進室 前川
     TEL 07915-8-0308
報道担当:理化学研究所 広報室 越間・佃・吉垣
     TEL 048-467-9270


(参考資料1)

理化学研究所の沿革

1917年(大正6年) 3月 日本で初めての民間研究所として、皇室、政府及び産業 界からの補助金、寄付金などをもとに、東京・文京区駒 込の地に「財団法人理化学研究所」が創設される。
1948年(昭和23年) 3月 財団法人理化学研究所が解散し、「株式会社科学研究所」が発足
1958年(昭和33年) 10月 株式会社科学研究所は解散し、理化学研究所法の施行により特殊法人「理化学研 究所」が発足
1963年(昭和38年) 3月 国からの現物出資を受け、埼玉県和光市(現在地)への移転を開始
1984年(昭和59年) 10月 ライフサイエンス筑波研究センターを筑波研究学園都市(茨城県つくば市)に開設
1986年(昭和61年) 10月 フロンティア研究システムを設置
1991年(平成3年) 11月 兵庫県播磨科学公園都市において大型放射光施設(SPring-8)の建設に着手
1995年(平成7年) 4月 英国ラザフォードアップルトン研究所(RAL)にミュオン科学研究施設完成
1997年(平成9年) 10月 播磨研究所を SPring-8 敷地内に開設
10月 脳科学総合研究センターを本所(和光)内に開設
10月 理研BNL研究センターを米国ブルックヘブン国立研究所(BNL)内に開設


(参考資料2)
播磨研究所の組織図


(参考資料3)

播磨研究所における研究事業等

1.構造生物学研究

 構造生物学研究とは、生命現象の仕組みを生体内に存在する蛋白質等の巨大生体高分子の高次構造に基づいて解明し、生体機能の解明や医薬品開発等に応用しようとする科学で す。
 ある機能を有する蛋白質は、固有のアミノ酸配列(一次構造)を持っています。しかしながら、一次構造だけからこの蛋白質の機能を理解することはできません。蛋白質はその鎖が折り畳まれて特定の立体構造(高次構造)をとった時に初めてその機能を発揮するため、機能を理解するためには、立体構造とその微妙な動きを原子レベルで解明することが 重要です。
 播磨研究所における構造生物学研究は、構造生物化学研究室、構造生物物理研究室及び理論構造生物学研究室が中心となり、和光本所の研究室とも連携を図りつつ、SPring−8の高輝度・高強度の放射光を用いた蛋白質の高次構造解明を目指して、生体に微量しか存在しない生体高分子を大量に発現・精製するための技術開発研究、効率的な結晶化 技術開発研究、従来の構造解析手法の高度化研究及び新たな構造解析手法の開発研究など を行います。

2.物理科学研究

 SPring−8はその蓄積リングに30mの長直線部(普通長直線部は5m)を有しており、高い干渉性を有する放射光を発生する次世代放射光源としての潜在的能力を有し ています。  播磨研究所における物理科学研究は、この能力を顕在化させ、放射光利用分野での新たな可能性を産み出すため、「可干渉(コヒーレント)X線」の発生と利用技術に関する研 究開発を行います。
 「可干渉X線」は、X線ホログラフィーによる原子レベルでの3次元結像や、その運動物体への応用などにより、材料分野、生物・医学分野等でインパクトのある結果をもたら すと期待されています。
 研究所開設時の担当研究室はX線干渉光学研究室の1研究室で、普通長直線部を用いた物理科学研究用理研ビームライン(高コヒーレントX線ビームライン)の開発研究を行い 、順次研究室の増強を図りつつ、上記研究を推進していく計画です。

3.その他

 SPring−8に関しては、平成6年10月に施行された「特定放射光施設の共用の促進に関する法律」に基づき、放射光利用研究促進機構として内閣総理大臣から指定された(財)高輝度光科学研究センターが、10月の供用開始以降はSPring−8の運営を行うことになりますが、従来から進めてきたSPring−8の整備についても当面継 続するため、その業務については大型放射光施設計画推進部が担当します。


写真の説明

写真1 大型放射光施設SPring−8の全景

SPring-8の全景

写真2 構造生物学研究棟

構造生物学研究棟