理研と(株)ダ・ビンチは、太陽光の熱を朝日から夕日まで効率よく回収し、発電するシステム「フレネル・サン・ハウス」を考案した(図)。光熱エネルギーをいったん水に蓄熱することで安定的に保存し、必要に応じて熱を取り出して発電と給湯ができる。理研と企業が一体となって研究を進める「産業界との融合的連携研究プログラム」に基づき、理研イノベーション推進センターに設置された光熱エネルギー電力化研究チームの東(ひがし) 謙治チームリーダー(ダ・ビンチ社長)、大森 整(ひとし) 副チームリーダーらによる成果。再生可能エネルギーの新しい可能性を開く技術として期待される。
太陽光を損失なく回収するには、透明度が高く、表面の粗さを抑えたレンズが必要となる。そこで、理研大森素形材工学研究室が開発した「フレネルレンズ」を採用し、立方体に組み合わせた。このフレネルレンズは、薄いプラスチックに同心円状に溝を刻んだ平面型で、非常に透明度が高く、表面の粗さは20ナノメートル(1nmは10億分の1m)という高精度。内部にはアルミ合金製の逆T字形の熱交換器を設置し、どの方向からの光熱エネルギーも逃さない構造とした。そして、熱交換器の下に水を満たした蓄熱タンクを設置し、温水の熱エネルギーをダ・ビンチ社が開発した「ロータリー熱エンジン」に供給し発電する。
現在普及しているソーラーパネルの光電変換効率は20%前後だが、考案したシステムの熱電変換効率は理論上60%に達する。今後、2013年中に出力1kWの試作機、2014年に10kWの実証システムの完成を目指す。


