理研オミックス基盤研究領域(OSC)ゲノム機能研究チームのPiero Carninci(ピエロ カルニンチ)チームリーダーらが参加する国際プロジェクト「ENCODE(エンコード)(ENCyclopedia Of DNA Elements)」は、私たちヒトの設計図である「ヒトゲノム」の80%の領域に、生命維持に関わる重要な機能があることを明らかにした。疾患のメカニズム解明や新薬の開発につながる成果。
ゲノムの実体であるDNAには遺伝子があり、その情報がRNAに転写されてタンパク質がつくられる。ヒトゲノムは2003年に解読完了が宣言されたが、その時点では遺伝子はDNA全体の約2%にすぎず、大半は「がらくた」と考えられていた。
ENCODE はヒトゲノムのすべての機能要素の解析を目指し、世界5ヶ国(スペイン、米国、英国、日本、シンガポール)から32の研究機関が参加して2003年にスタートした国際プロジェクト。日本から唯一参加した理研OSCは、独自に開発したCAGE法を用いて、ヒトゲノム全体の遺伝子転写開始点とその発現量を調べた。その結果、約6万2000の遺伝子転写開始点を同定し、転写調節に関わるゲノム領域の詳細な解析に貢献した。
この成果は、ヒトゲノムの機能のさらなる詳細な解析を可能にする質と量を備えた、貴重なデータベースとなった。
●『Nature』2012年9月6日号掲載

