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野依良治理事長× 遠山敦子新国立劇場運営財団理事長
新春特別対談


理研に期待すること 〜理研と大学〜
遠山敦子新国立劇場運営財団理事長野依:遠山さんは以前、文部科学大臣を務められました。私を理化学研究所(以下、理研)の理事長に指名されたのは遠山さんでした。そのことも含めて、理研に対する期待をお聞かせいただければと思います。
遠山:新年に当たって、尊敬する野依先生との対談という素晴らしい出会いに恵まれて、うれしく思います。野依先生は、私が大臣に就任したその秋に、ノーベル賞受賞という良いニュースをもたらしてくださいました。その快挙は、日本の研究者にとって大きな希望となりました。翌年も2人のノーベル賞受賞者が続き、一気に日本人の科学への信頼と期待が沸き上がりました。大臣としてもラッキーでした。
 私は昭和40年代から理研に注目しておりました。それは、当時の大学にはない自由闊達(かったつ)な研究ができ、数多(あまた)の業績を持つ優れた研究所との認識です。その長に野依先生のような方に座っていただき、さらに発展が期待されます。最近、「野依イニシアチブ※1」を拝見して、もうまったくその通りだと思いました。特に「世の中の役に立つ理研」、それから「文化に貢献する理研」という視点は、これまでの理研にはなかった指摘だと思います。
 新しい年も、所員の皆さんはますますこの方向で、大いに歩みを進めていただきたいと思います。
野依:どうもありがとうございます。私は独立行政法人になった2003年10月、理研に参りまして、新生理研をどのようにすべきかと考え、「野依イニシアチブ」を出しました。理研に来て、“大学の使命”と“理研の使命”をあらためて考え直す機会を得まして、やはり大学は教育が第一義的に大事だと再認識しました。大学の研究というのは人を育てるために行う研究であろうと思います。いわば学術研究を旨とすべきで、自由な発想で、自らの内なる確信に基づいて研究することが大事です。それを学生諸君と一緒に行うことによって、人が育つということが第一、研究成果は素晴らしいに越したことはないが、二義的であろうと私は思います。
 一方、理研は研究で勝負し、世界最高水準の研究をすると同時に、わが国の根幹的な研究基盤をつくることが、社会から託されているわけです。理研の特徴は組織力、これを使ってオールジャパンの根幹的な研究基盤をつくっていくことです。例えばSPring-8、タンパク3000※2、バイオリソース、あるいはSNP(スニップ)(一塩基多型)の網羅的解析といった大型のプロジェクトなど、大学ではできない、そして国際的にも追随を許さない研究をして、国の研究基盤をつくっていきたいと思っています。
遠山:私も大学の使命は、第一に教育、次に研究、そして社会貢献、この三つだと思っていますが、これまでは研究が前面に出過ぎていて、第一の教育がおろそかになっていた。もう一度、教育に目を向けてもらいたい、それと同時に社会貢献を大学としてもやるべきだと思います。大学も国立大学法人化によって規制が緩和されて動きが自在になり、これまでできなかったことが可能になってきた。その意味では理研の在り方も、そういう周辺状況を見た上で一歩前進してもらいたい面があります。大学人が個々にやるような方法ではできない研究をやっていただく。一つは、おっしゃったように組織力を利用して統合化していく。それをできるのが、理研の強みだと思いますね。
野依:理研にはいくつかの特徴ある研究センターがありますが、独立性は認めた上で、融合・連携して新しい分野を切り拓いていくためには、研究計画をしっかりつくり、国の政策、戦略と整合する形で進めないといけないと思っています。
遠山:私は、国が特定の分野を重点項目に定めて、それを推進するという日本の科学技術政策の在り方を、最近、やや心配しています。その項目を見ると、だいたいが諸外国でもやっているテーマなんですね。日本はそこからもう一歩抜け出して、新しいパラダイムに近づくような研究もぜひやってもらいたい。理研は純粋に研究に打ち込める点を活用して、高くアンテナを張って、大学の研究者の動きも見ながら、さらに先をリードするような研究所であっていただきたいと思います。


見える理研 〜科学と社会〜
野依良治理事長野依:理研は立派な研究をして成果を社会に還元しなさいと言われています。さらに、科学の重要性、それから科学の知識に基づく技術の力量というものを、研究者の力も借りて、広く社会に責任を持って説明することが、われわれの非常に大きな責任であると思います。
遠山:最近の研究はだんだんと専門分化して、一般の人にはますます分かりにくくなってきてますよね。研究の密度と精度、それから先端研究の進め方が、20世紀型のものと相当違ってきている。そうなると、科学の持つ意味、効果、影響を解説することが、とても大事になると思います。私は、研究する側もある種の戦略をもって研究をプロデュースすることが、大事だと思います。それに、最先端の研究の中から産業に結び付けていく“目利き”というか、有用性を見抜く人が、日本には少な過ぎるのではないか。その辺の中間部分を充実させていくと、日本の基礎科学の力が、実際に影響力を持つようになるのではないかと思うのですが。
野依:おっしゃる通りです。日本には立派なプレーヤーはたくさんいるのですが、それだけではオーケストラは成り立たない。“目利き”と同時にそれを統合、指揮するコンダクターの養成が大事だと思います。
 もう一つ、理研には、研究を束ねて、ある目的を持った基幹的な技術基盤をつくることが求められています。さらにそこで得られた研究成果をいかに外の世界につなげていくか、その仕組みを考えることが大事になると思っています。
遠山:そうですね。それをすることが、「野依イニシアチブ」に挙げられた「見える理研」という目的にかなうわけですよね。


科学の新しい在り方を求めて
野依:最近、近未来の社会に向けた科学技術の開発について活発な議論がされていますが、議論の方向が近視眼的なところにある。私たちはもう少し長い目で見て、ポール・ゴーギャンの絵の題目にある“われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、そして、われわれはどこに行くのか”という視点が必要ではないかと思います。
遠山:12世紀ころ、最初に“教養”という概念ができたとき、その中味は、一つは“言語”、一つは“自然”、これには天文、算術、幾何の三つがあり、もう一つが“音楽”ですね。人間の叡智(えいち)の一番基本としてそういう概念ができたあたり、今のお話を考える上で、とても示唆的ですね。研究の方は非常に広大な宇宙のことから極小の粒子まで追求され、これでおしまいということがない。その中で、人間の存立そのものといいますか、人間としてどのように生きるかということは、必ずしも顧みられなくなっている面が、私はとても気になっています。そういうことも視野に入れた上で、理研という枠を超えた一個の知識人なり文化人なりの役目として、優れた研究をしていただく必要があるのではないかと思います。
野依:われわれの宇宙観や生命観は、基礎科学を経て、作られてきました。自然を体系的に知ることによって客観的に人間というものを知り、人間ははかなく、宇宙のささやかな存在であることを知り、謙虚になることができると思いますね。これは人生を送る上でとても大切です。
 先ほど、カルチャーのこと、言語のことが出ましたけれども、人との対話に必要な言語はカルチャーの一番のもとですね。“科学”というのは自然との対話に必要な“言語”だと思います。そういった意味で、自然科学者の役割は非常に大きいと思います。
遠山:新しい時代における科学の新たな役割を考えますと、閉じた社会の中で満足し合うのではなくて、各成果を総合して社会に還元していただきたいと。それが、自ら科学の先端研究に携わっていない私どもの願いであります。
野依:遠山さんが先ほどおっしゃったように、研究者の興味が非常に細分化していることを私も危ぶんでおります。社会と基礎科学とのかかわりというのは、そういう意味で一番大事だと思います。
 もう一つは、得られた科学知識を活用して、経済を活性化しなければならない。科学技術は今日の社会の豊かさのもとであり、国の競争力の源泉でもあるわけですね。これを、どういうふうにして今後も続けていくかということなんですね。


“問い”を培う
遠山敦子 新国立劇場運営財団理事長遠山:野依理事長はご自身の研究が、すでに社会とか経済に結び付いておられる。まさに最先端の概念の創出を成し遂げられ、それが社会で使われている。
野依:最初はやはり知的好奇心に基づいた研究でした。そして新しい発見をして、それが発展していったわけです。発見とは何かということですが、事実の発見よりも、価値の発見の方が大事ではないかと思っています。私の場合も、最初はささいな事実を見つけたにすぎないんですが、それが重大な価値を持つということに気付き、その方向に進んでいったわけです。
 自然科学の研究の一番のポイントは、いかにして新しい問題を見つけるかです。ところが、日本の教育のシステムの中では、問題を自分で見つけるということをやっていないんですね。答えを探すだけです。
遠山:教育課程の改訂とか、考える力を身に付けさせるとか、だんだんと変化は出始めていますが、難しいところはありますね。
 メディアが発達して、いろいろな問題点が毎日毎日伝えられています。その問題を解決するにはどうすればいいのか。それには視野を広くして、科学あるいは技術が、その問題を精緻(せいち)化、精鋭化する方向だけに集約するのではなく、それが何かしら人間のため、地球のためになり得るようにするビジョンを持つことが必要ではないでしょうか。
野依:おっしゃる通りです。これまで科学の研究は、証拠主義だったんですね。証拠がなければ科学研究ではないと言われていました。しかし、これからは予言力といいますか、予測力が求められるようになってくると思います。科学そのものは、依然として証拠主義で推移すると思いますが、それを活用する科学技術では、結果の予言、予測をすることが非常に大事になってきているように思います。枯渇しつつある資源、エネルギー、環境、あるいは医療の問題を、どのように考えていくか。これは不具合が起きてしまって証拠が出てからでは、遅過ぎます。科学的な証拠に基づいた上で、先を読むことが非常に大事になってきていると思います。
遠山:そうですね。そういうことは、経験しながら高い視野を獲得し、それをどう予防していくか、どう対処するか。政治の役割も大事ですが、科学者もぜひやっていただきたい。
野依:証拠というのは一つの形式知です。さらにそれを超えた暗黙知をわれわれは世代を経て体得し、知恵をつけてきたはずですよね。形式知だけで考え対応しようというのは、やはり問題ですね。
遠山:私は、人間としての本当の教養というものを持つべきだと思います。教養は何も、博学であることではなくて、より良い社会にしたい、より良く生きたいという、意欲と叡智であると思うのです。科学者はそれを獲得する能力において優れているのですから、心を広げ、感動し、良いものを見、楽しみながら、本当に良く生きるために自分はどうしたらよいか、より良い社会にするためにはどうしたらよいかを、ちょっと考えていただくだけでも、研究の意味とか価値や力点が変わってくるのではないかと思います。
野依:「ラ・マンチャの男」という劇の中で、ドン・キホーテが“事実とは真実の敵なり”と言うんですね。科学者がともすれば個々の事実にとらわれて、その背後にある普遍性を見失っているのではないかと。暗黙のうちにやっぱり、人間とは何か、自然とは何か、という問いを培っておく必要があるのではないでしょうか。
遠山:ITだけではなくて、ナノテクもバイオも細分化して、DNAの組み換えとか、あるいはクローンというようなことにつながっていく。そこでは倫理というものをどうするのか。倫理は、教養の中の大きな一つだと思うのです。そこが根本的に欠けていますから、野依先生をはじめいろいろな方に、クローンなどについても今、フォーラムの形で論議を始めていただいておりますけれども。


文化を尊ぶ文明
野依良治理事長野依:研究者や技術者が、善意で真摯(しんし)に努力してつくっている文明が、実は人類を衰退の方向に向かわせているのではないか、それを非常に恐れています。
 私は、21世紀には「文化を尊ぶ文明」というのが一番大事だと考えているんです。文化というのは、永年にわたって統合的に培われた精神的な特質だろうと思うのですね。われわれは、それを心のよりどころにして生きているのだろうと思います。
 一方、文明は文化に人間の技術的あるいは物質的な所産を合わせた社会の状況を指すのだろうと思うのです。私は、文明そして文化の二つがバランスを取って共生して初めて、人間社会は本当に進化していくのだろうと思っています。
遠山:文化という角度から言うと、日本は大変恵まれていると思うんですね。先般行きましたチュニジアでは、ローマによって徹底的に焼き尽くされて、カルタゴの大繁栄の遺産が堆積(たいせき)していない。それに比べ、日本は文化の重層性、多様性というのが、庶民の中に脈々と受け継がれ堆積しているのだと思います。ですから、日本の科学者が創造性を発揮するとき、文化の伝統というものが何らかのヒントになっていると思います。
 理研の元理事長、小田稔先生は「すだれコリメーター※3」を用いて研究を進められたと聞きました。日本の文化そのものの発想から道具を作り解析をされて、そこからブラックホールの候補を見つけた。あれは非常に顕著な例だな、と若いときに学んで思った記憶があります。
野依:“科学には国境はないけれども、科学者には祖国がある”といわれます。科学者の発想には文化に根ざしたところがあるわけです。理研にとってなじみの深い湯川秀樹先生も、朝永振一郎先生も、大変な文人でいらっしゃって、発想は日本の文化に基づいていることはもう間違いないと思いますね。
遠山:そこの基底には、本当の意味の教養がおありになると思います。


理研という舞台
遠山:私が今おります新国立劇場は、オペラとかバレエとか演劇をやっています。昨年の秋、「ニュルンベルクのマイスタージンガー」というワーグナーのオペラが大変好評を得ました。あれは、まさに総合芸術です。そういう総合的な舞台芸術についてつくづく思うことは、それぞれが一流のシンガーであり指揮者でありオーケストラであり、それらがしっかりと手を組んで、何週間も練習を繰り返して、そうして素晴らしいものをつくり上げるんですね。日ごろのものすごい訓練と、一流であり続けたいという念願と、それを通じて良いものを創りたいという情熱があって、しかも、互いに協力し合って素晴らしい総合芸術ができるんですね。
野依:そこには優秀なディレクターが必要ですね。
遠山:そのことを、つくづく感じました。理研という大きな舞台で研究する方々が、それぞれの自らの世界で最高水準を目指して努力されるだけではなく、それを総合して何らかの新しい価値観をクリエートしていただきたい。新しい目標を持って、やろうじゃないかという力を、野依理事長のもとでぜひとも。
野依:単なる足し算ではなくて、異なったものの掛け算で新しい価値を生み出す。そういうことができればいいなと思っております。




※1:野依イニシアチブ
野依良治理事長が提唱する五つのテーマ。1. 見える理研。2. 科学技術史に輝き続ける理研。3. 研究者がやる気を出せる理研。4. 世の中の役に立つ理研。5. 文化に貢献する理研。


※2:タンパク3000プロジェクト
文部科学省が、平成14年度からわが国発のゲノム創薬の実現などを目指し、5年間でタンパク質の全基本構造の1/3(約3000種)以上の構造およびその機能を解析し、特許化まで視野に入れたプロジェクト。


※3:すだれコリメーター
X線を発する天体の位置を正確に測定する装置。すだれ状の格子を重ねることで、天体からの光の入射角を正確に検知できる。


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新しい研究分野を拓く、理研の活力の源
フロンティア研究システム

玉尾皓平システム長に聞く



玉尾皓平システム長フロンティア研究システム(FRS)は、理研の将来計画に直結する新しい研究分野を育てるため、さまざまな分野の研究者を国内外から任期制で採用し、時限付きのプロジェクトを推進する研究組織である()。今後、FRSはどのような研究分野を切り拓こうとしているのか。2005年4月に就任した玉尾皓平システム長に聞いた。


図 フロンティア研究システムの組織図

テーマを絞り込み、センター化を目指す
――FRSとは、どのような組織ですか。
玉尾:名前の通り、フロンティアを切り拓く新しい研究分野のプロジェクトを立ち上げ、それを一つの独立した大きな分野に育てるための研究組織です。例えば理研の中央研究所では、定年制の研究員によって自由な発想でさまざまな分野の基礎研究が行われ、そこから新しい芽が生まれています。そのような芽を、期限を定めた研究プログラムで育てるのがFRSの役割です。そうして大きく育った分野を、脳科学総合研究センターのようなセンター群で、目標を定めたプロジェクト研究として強力に推進しています。つまり、FRSは理研の新しい活力を生み出す源です。
――新しい分野をどのようにして選ぶのですか。
玉尾:トップダウン型とボトムアップ型があると思います。2005年に発足した分子イメージング研究プログラムはトップダウン型、テラヘルツ光研究プログラムはボトムアップ型です。分子イメージング研究プログラムは、ヒトの体の中で生体分子や薬剤がどのように働いているかを画像化し定量化する研究が、創薬や診断に重要であることを野依良治理事長が説き、国家プロジェクトの研究拠点として発足したものです。一方、テラヘルツ光研究プログラムは、FRSのフォトダイナミクス研究センター(仙台)で15年間行ってきた光に関するさまざまな研究の中から見いだされた、赤外線と電波の境界の波長であるテラヘルツ光の研究を、中央研究所と連携して大きく育てようというものです。いずれも、5年後にはセンター化を目指しています。また、中央研究所の加速器のグループが2005年にFRSへ移り、重イオン加速器科学研究プログラムとなりました。これもセンター化を目指し、そのための準備をFRSで行っています。
――FRSのいずれのグループも、将来センター化するのですか。
玉尾:科学研究は実際に進めてみないと大きく育つかどうか分かりません。それを見極めるのがFRSです。従来、FRSでは十数年の期間を2期に分けて、新しい研究分野をじっくりと育てようという考え方で進めてきました。生体超分子システム、時空間機能材料、単量子操作の各研究グループと、バイオ・ミメティックコントロール研究センターは、そのような考え方で推進してきたプロジェクトです。一方、2005年に発足した分子イメージングとテラヘルツ光は、従来よりもテーマを絞り込んだ5年間の研究プログラムです。5年後には絶対にセンターにするぞ、という意気込みで始めました。既存のグループも、それぞれの期間が終わるまでにテーマを絞り込みセンター化を目指す5年間くらいのプロジェクトとして、次期計画を戦略的に立てる必要があると考えています。
――2006年度発足予定のプログラムはありますか。
玉尾:「RNA新機能研究プログラム(仮称)」を立ち上げるため、準備を進めています。これはゲノム科学総合研究センターの林良英プロジェクトディレクターらが発見した、たくさんの“タンパク質をつくらないRNA(Non-cording RNA)”の機能を探るものです。センターで生まれた芽をFRSに戻して大きく育て、新たなセンター化を目指すという、新しいパターンの良い例になると思います。


分子デバイス創製のセンターを築く
――さらに今後、センター化を目指す分野は?
玉尾:FRSのナノサイエンス研究プログラムを強化してセンター化を目指すことが、私に課せられた大きな宿題です。ただしナノサイエンスを掲げた研究は、すでにさまざまな研究機関で行われています。理研でなければできないような、難度が極めて高い研究テーマを目指したいと考えています。
――具体的には、どのような研究テーマですか。
玉尾:分子デバイスの創製です。分子デバイスは分子一つ一つをメモリーや情報処理の素子として機能させ、けた違いの記憶容量や演算速度を実現するものです。分子デバイスを創製するには、“新しい分子をつくる”、“分子を見る”、“分子を基板に並べる”、“分子の機能を測定する”など、さまざまな分野の研究者の総合力が必要です。ものすごく難しい、物質科学の究極のテーマ。だからこそ理研でやりたいのです。
――システム長ご自身は、どのような研究をしてこられたのですか。
玉尾:長年、京都大学で、触媒を使って炭素化合物同士を結び付けたり、ケイ素を含んだ新しい機能を持つ分子などをつくる化学研究を行ってきました。分子デバイスの創製につながる研究だと思います。


一家に1枚周期表
――昨年、「一家に1枚周期表」という標題のポスターを発案し、制作されましたね。
玉尾:一般の人に化学をどうやって広めていくか、パネル討論をする機会がありました。化学物質に悪いイメージを持っている人が多い。しかし私たちの体も、身の回りのものもすべて、約80種類の元素から成る化学物質です。さらに私たちは科学技術によって生み出された化学物質の恩恵を受け、豊かな生活を送っています。そういうことを実感してもらうには周期表しかないと、「一家に1枚周期表」というアイデアを出したところ、幸いにも多くの人の賛同を得ることができました。その後、文部科学省に予算化していただき、京都薬科大学の桜井弘教授、京都大学化学研究所の寺嶋孝仁教授と私の3人が分担して、全元素について、その特色や身の回りでどこに使われているかを示すイラストや写真を載せた周期表のポスターをつくりました。
――全国の小・中・高校や科学技術週間の行事で配り、大きな反響があったそうですね。
玉尾:ここまでの反響があるとは思っていませんでした。「孫へプレゼントしたい」などと、主に一般家庭からの注文が殺到し、販売を委託された科学技術広報財団では一時期、職員がその対応にかかりきりになったそうです。私は、このポスターを使って中・高校生を対象にした講演を何回か行いました。陽子の数が原子番号に対応するという話をしたら、「そんなに小さなところにプラスの電荷を持つ粒子がいっぱい入っていて壊れないんですか」という鋭い質問を中学生がするんです。すごいでしょう! そういう本質的な質問がどんどん出てくる。子供たちに、できるだけたくさんの質の良い情報を与えることが大事だと実感しました。
――システム長ご自身は、どのようにして化学に興味を持ったのですか。
玉尾:父は開業医、母は薬剤師という理科系の家庭に育ちました。また、中学や高校で、自然科学に興味を持った、とてもいい先生に学ぶことができました。ただし化学一筋ではなく、建築や美術にも興味がありました。ものをつくり上げていくことが好きなんです。
――システム長のお仕事も、新しい研究分野をつくり上げていくことですね。
玉尾:野依理事長からは、「どう、大変でしょう。でも面白いでしょう」と言われます。確かにとても大変ですが、面白みを感じ始めています。




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神経回路の形成メカニズムを探る


見学美根子 
KENGAKU Mineko 
脳科学総合研究センター 神経分化修復機構研究グループ
神経細胞極性研究チーム チームリーダー



見学美根子 KENGAKU Mineko「顕微鏡で脳の神経回路を見ていると、本当に美しく、感動します。こんなに美しいものがどのようにしてできるのか、そのメカニズムを知りたいのです」と見学美根子チームリーダーは語る。脳ができるときには、さまざまな種類の数百億個の神経細胞が生まれ、それぞれが機能する位置へ移動し、正しい方向へ突起を伸ばしてほかの神経細胞とつながり合い、神経回路が形成されていく。神経細胞極性研究チームは、主に小脳を研究対象にして神経回路の形成メカニズムを探っている。その研究は、細胞を移植して神経回路を再構築させる再生医療や、神経系の難病の原因解明と治療に貢献すると期待されている。

コメント01

神経細胞は働くべき場所へ移動する
 神経細胞は、電気信号を発生する細胞で、核を含む細胞体から2種類の突起が伸びている。一つは、電気信号をほかの細胞へ伝える軸索と呼ばれる長い突起。もう一つは、電気信号をほかの細胞から受け取る樹状突起と呼ばれる複雑に枝分かれした突起である。このような神経細胞がヒトの脳には数百億個あり、それらが正確に“配線”されて精密な神経回路が形成され、電気信号をやりとりすることで、さまざまな機能を発揮している。
 膨大な数の神経細胞が正確に効率よく“配線”されるには、さまざまな種類の神経細胞が、それぞれの機能する場所に配置され、正しい方向へ軸索や樹状突起を伸ばして、ふさわしい相手の神経細胞と結合しなければならない。ただし、神経細胞は機能する場所で生まれるわけではない。神経細胞は、生まれた場所から機能する場所へ正確に移動していかなければならない。なぜ、神経細胞は自分の進むべき道を正確に歩んでいけるのだろうか。そして、どのような仕組みで正しい方向へ軸索や樹状突起を伸ばし、ふさわしい相手の神経細胞と結合して、神経回路を形成するのだろうか。


直角に曲がる神経細胞
 見学チームリーダーは、小脳を主な研究対象にして、神経回路がつくられる仕組みを解き明かそうとしている。小脳には、プルキンエ細胞や顆粒細胞など大きく分けて5種類の神経細胞があり、分子層・プルキンエ細胞層・顆粒層という3層構造をつくっている(図1)。分子層では、平行線維と呼ばれる顆粒細胞の軸索が、プルキンエ細胞の扇状の樹状突起と垂直に交わっている。その分子層の下にプルキンエ細胞の細胞体が並んだ層、さらにその下に顆粒細胞の細胞体が並んだ層がある。「小脳はまるで美しい織物のような構造をつくっているのです」と見学チームリーダーは表現する。この小脳の神経回路ができるとき、顆粒細胞の細胞体は、その両側から軸索を伸ばして平行線維をつくりながら分子層を平行移動する。やがて直角に方向転換して下降し、プルキンエ細胞層を通り過ぎ顆粒層にたどり着く(図2)。
 見学チームリーダーらは、この顆粒細胞が直角に曲がる現象に注目した。「できたばかりの顆粒細胞を取り出してシャーレで培養すると、顆粒細胞は軸索を伸ばした後、やがて直角に曲がります。従って、顆粒細胞自体に直角に曲がる遺伝的メカニズムが備わっていると考えられます。私たちはそのメカニズムを解明するために、顆粒細胞の中で、曲がる前には発現していなくて、曲がった直後から発現するタンパク質を探しました」
 こうして2002年、見学チームリーダーらはDNER(ディナー)というタンパク質を発見した。しかし、その後の研究により、DNERは顆粒細胞よりもプルキンエ細胞で強く発現していることが分かった。DNERは顆粒細胞が直角に曲がるときに必要なタンパク質ではなく、プルキンエ細胞で何か重要な働きをしているらしい。DNERは細胞膜に埋め込まれた膜タンパク質で、その一部を細胞の外側へ突き出している。その外側に突き出した部分の分子構造から、DNERはNotch(ノッチ)というタンパク質と結合することが推定された。Notchも膜タンパク質で、細胞外から情報を受け取る受容体として、昆虫や脊椎(せきつい)動物を含むあらゆる動物の体がつくられるとき、重要な役割を果たしていることが知られている。
 神経細胞をつくる元の細胞である神経幹細胞にもNotchが発現している。神経幹細胞から神経細胞ができると、その細胞膜からある種のタンパク質が突き出て、周りにある神経幹細胞のNotchと結合し、情報を伝える。するとその神経幹細胞はグリア細胞へ分化する。グリア細胞は、脳・神経系をつくる細胞のうち、神経細胞でないものの総称で、神経細胞の働きを支援している。ヒトの脳には神経細胞の約10倍もの数のグリア細胞があると推定されている。「先に神経細胞に分化した細胞は、周りの神経幹細胞のNotchに働き掛けて、“もう神経細胞は足りているから、グリア細胞になりなさい”という指令を送るわけです。このような仕組みで神経細胞とグリア細胞の数のバランスが保たれます。昆虫やマウスを使った遺伝子操作の実験でNotchの働きを抑えると、神経細胞だらけになって発生の初期に死んでしまうことが知られています」

図1 小脳の構造
図2 直角に曲がり、下降する顆粒細胞


DNERはグリア細胞の成長を促す
 DNERが現れるのは、神経幹細胞から神経細胞とグリア細胞への分化が終了した後である。ではDNERはどのような働きをしているのだろうか。プルキンエ細胞のDNERは、その周囲にあるバーグマングリアというグリア細胞のNotchに結合し、情報を伝えることを見学チームリーダーらは突き止めた(図3)。さらに、DNERができなくなったマウスは、バーグマングリアの突起形成が進まず、小脳の神経回路の発達が著しく遅れることも確かめられた。
 プルキンエ細胞は平行線維から情報を受け取るために、樹状突起を分子層へと伸ばしていく。そのときプルキンエ細胞はたくさんのDNERをつくり、バーグマングリアのNotchに結合して指令を伝え、その成長と突起形成を促すのだ。そしてバーグマングリアの突起を足場にして、プルキンエ細胞は樹状突起を分子層へ伸ばしていくと考えられる。さらにバーグマングリアの突起は、顆粒細胞が直角に曲がった後に顆粒層へ下降するための足場としても、その移動を支援しているらしい。
 「個々の神経細胞が、どのような突起を伸ばすかは、顆粒細胞やプルキンエ細胞といった細胞の種類によって遺伝的なプログラムが決められています。しかし、細胞がどちらの方向へ移動するか、突起をどちらの方向へ伸ばすかを決めるには、外部からの情報が必要です。遠くの細胞や周りの細胞が分泌したタンパク質などに引き付けられたり、反発したりして、方向を変えていきます」
 ただし、脳は神経細胞やグリア細胞の突起ですき間なく埋め尽くされている。神経回路ができるには、細胞同士が突起を伸ばす場所を取り合ったり譲り合ったり、ある細胞の突起の伸展を別の細胞が支援したりする相互作用が必要だ。そのときDNERとNotchのように隣り合う細胞同士に働く接触型の情報伝達も重要だと考えられる。「DNERは今のところ脊椎動物にしか見つかっていません。進化の過程で脳の細胞の種類が膨大に増えたことで、突起のパターンを微調整するDNERのような接触型の情報伝達が必要になった可能性があります」
 細胞同士は、情報が広く伝わる分泌型や、近隣に細かい指令を出す接触型の情報伝達方法を組み合わせてコミュニケーションしながら、高度な機能を発揮する神経回路をつくっていくのだ。
 DNERは大脳皮質などの神経細胞でも発現が見られる。そこでも突起形成の調整を行っているのかどうか、見学チームリーダーらは研究を続けている。

図3 DNERの発現

神経系の難病治療への貢献
 「DNERを発見したとき、真っ先に調べたのが、このタンパク質をつくる遺伝子が神経系の難病の原因遺伝子になっていないかです。残念ながら関連性は見つかりませんでしたが、神経回路形成に関する研究の中から、現在は原因が分からず、良い治療法がない神経系の難病の原因遺伝子が見つかる可能性があります」
 神経細胞の移動の異常や層構造がうまくできないことが原因で、精神発達障害やてんかん、運動障害が起きることが知られている。また、樹状突起の形成の異常が、神経系の難病の原因になっている可能性もある。それらの原因遺伝子が見つかれば、根本治療への道が開ける。神経回路形成に関する研究は、脳の再生医療への貢献も期待されている。現在、機能が失われた脳や脊髄の組織に神経幹細胞などを移植して、組織を再生させる研究が盛んに行われている。「神経幹細胞などを移植するだけで、ある程度、機能が回復できる場合があります。しかし完全に機能を回復させるには、神経回路を再構築することが必要です。私たちの研究は、そのための基礎知識を提供できるはずです」



現象の再発見の時代
 さて、見学チームリーダーらは、もともとの疑問である小脳の顆粒細胞が直角に曲がるメカニズムを、今後、どのような方法で解明しようとしているのだろうか。「今は現象の観察に立ち返ろうと考えています。顆粒細胞は曲がる瞬間、細胞体が丸くなり、たくさん突起を出してどちらの方向へ行くかを模索するのかもしれません。あるいは、いきなりある方向へ1本の突起を出して曲がるのかもしれません。それを観察することで、直角に曲がる仕組みをある程度推測できます」
 見学チームリーダーは、「今は現象の再発見の時代です」と続ける。「従来、組織を薄い切片にして薬品などで固定した、死んだ細胞の動きの痕跡(こんせき)を観察していました。しかし最近の顕微鏡技術の進歩により、脳の組織を厚くスライスして培養しながら観察したり、生きた動物の脳の表層を直接観察して、組織の中で細胞が動いている様子を、高倍率でとらえられるようになりました。神経回路の形成について、多くの疑問がだんだん解明されてきましたが、実は、細胞がどんなダイナミックな動きをしているのか、まだよく分かっていません。組織の中の細胞の振る舞いをつぶさに観察することで、興味深い現象がたくさん見つかり、新たな疑問が生まれてくるでしょう。そこから神経回路形成の全体像が明らかになるはずです」
 明日死ぬつもりで生き、永遠に生きるつもりで学ぶ――見学チームリーダーの信条である。
 「大学院のときに出会った、マハトマ・ガンジーの言葉です。顕微鏡で神経回路を見ると、本当に美しい。しかも、その美しさには意味がある。機能を実現するため、無駄のない究極の形をしているはずです。私はその美しさのからくりを知りたいのです。これまでいくつかの小さな発見をしましたが、決して目標にたどり着いたという感じはしません。学問に終わりはなく、自分が研究できる時間はごく限られていますが、毎日一歩ずつでも目標に近づきたいという思いで研究を続けています」









関連情報:




「小脳ニューロン・グリアの細胞形態形成を制御する細胞間相互作用」『神経研究の進歩』Vol. 49 No. 1(2005)


「小脳顆粒細胞の移動」『蛋白質 核酸 酵素』Vol. 49 No. 3(2004)







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TOPICS
茅幸二所長、文化功労者に

理研和光研究所の茅幸二所長は、レーザー化学のさまざまな研究手法を開発し、分子あるいは分子クラスターの性質を解明することによって、ナノ物質科学の世界に化学者の観点から新分野を構築した業績が高く評価され、文化功労者に選ばれました。

茅幸二所長
茅所長のコメント
「私は化学の立場からナノテクノロジーの基盤研究を行い、さまざまな分野との連携を持ちつつ、ナノテクノロジーでの化学分野の重要性を主張してきました。今回の顕彰は、このような地味な研究を認めていただいたこととして感激しております。私の研究を支援、連携していただいた方々に深く感謝しております」
茅 幸二 (かや こうじ)
1936年10月20日、北海道生まれ。1961年3月、東京大学理学部卒。理学博士。理化学研究所理論有機化学研究室 研究員、東北大学理学部 助教授、ベル研究所(米国)研究員、慶應義塾大学理工学部化学科教授を経て、1999年4月より2004年3月まで岡崎国立共同研究機構分子科学研究所所長。2004年4月より現職。日本化学会学術賞、日本化学賞などを受賞。



「RIKEN Honorary Fellow」第1号を江崎玲於奈博士に授与


「RIKEN Honorary Fellow」第1号を江崎玲於奈博士に授与 当研究所は、研究所の活性化、国際性の向上に資する著名人を招聘(しょうへい)する「RIKEN Honorary Fellow」制度を創設しました。授与式典を11月16日に開催し、第1回目の称号を、江崎ダイオードや超格子理論の提案と産業界への貢献や国際的な活躍を評価し、1973年ノーベル物理学賞を受賞した江崎玲於奈(れおな)博士に贈呈しました。式典終了後には「限界への挑戦」と題して江崎博士の特別講演会を開催しました。
 この制度は、講演会や意見交換会などを通して授与対象者と所員との積極的な交流を図り、所員の他分野への視野の拡大や新しいインスピレーションの啓発に寄与し、科学と社会とのかかわりや国際性の意識を高めることを目的としています。ほかの研究機関などでは見られない新しい制度として、称号授与対象者は、自然科学分野に限定せずに国内外から広く求め、選出します。




松田科学技術政策担当大臣、和光研究所を視察


松田科学技術政策担当大臣、和光研究所を視察 松田岩夫科学技術政策担当大臣が11月22日、理研和光研究所を視察しました。松田大臣は大熊健司理事の案内で、超精密鏡面加工技術のELID研削システム、スーパーコンピュータ、脳科学研究、建設中のRIビームファクトリーを視察。「113番元素発見」など理研の研究成果について説明を受け、研究者と活発な質疑応答を交わしました。その後、外国人研究者3名と懇談し、外国人研究者が日本で働く際の問題点などについて報告を受けました。最後に野依良治理事長と懇談し、日本の科学技術政策などについて意見交換をしました。





原酒
所員がはぐくむ理研文化


小川智也
OGAWA Tomoya
横浜研究所 所長


新年明けましておめでとうございます。今年も皆さまが健勝で明るい一年を送ることができますよう祈っております。

さて、横浜研究所長専任となってはや2年目、ここに文化的な環境を整備すべく推進部の皆さんとともにさまざまな努力をしてまいりました。緑化計画に基づく3800本の植樹、ミニサッカーなどに適した芝生の整備などを行い、その緑がこの新しい研究所とともに大きく育っていくことを願っております。

第2回となったラボ川柳のコンペもなかなかよい気分転換になるものです。

 所長賞:
 ねずみ返し ねずみは逃げず ひとがこけ
 by 写夢猫 (免疫・アレルギー科学総合研究センター/RCAI)

 副所長賞:
 I'm sensing phenol -On your hot lips, -You isolated RNA today
 
by KURO(ゲノム科学総合研究センター)

月一企画の「サロン・コンサート」もすでに15回を数え定着してきました。毎回趣向を変えた音楽やドリンクを楽しみにしている所員も多いことでしょう。昨年10月には横浜研究所のオリジナルソングも誕生しました。RCAIのシンガーソングライターでもある黒崎まりさんの情熱的な歌声とともに披露され、大変感動致しました。ここでは歌詞だけで残念ですが、ご本人のお許しを得て皆さまにもご紹介致します。

横浜研究所は任期制所員がほとんどですから、時期が来ればそれぞれ成果を挙げて新しい職場に去っていくことでしょう。それでもこの組織に所属していることに自負と責任を持ってくれていることは本当に喜ばしいことで、誇りに思います。歴史ある理研に自ら飛び込んできた者たちが理研文化を継承し、理研ネットワークを大切にして、研究する喜びや楽しみをずっと持ち続けてほしいものです。

私も老骨にむち打たなくても済むように、気が置けない仲間との会話や適度な酒でストレスをためず、特に若い人たちの話に耳を傾け、皆さまとともにこの一年を心豊かに過ごせるよう努力したいと思っています。

今年も横浜研究所では「サイエンス・サロン」を企画し、初回の野依良治理事長に続いてさまざまな分野の著名人をお招きし、和やかな雰囲気の中、お話を伺う機会を持ちたいと考えております。ご期待ください。

第2回ラボ川柳所長賞を受賞した写夢猫こと上級技師の長谷川孝徳さん
(RCAI 免疫器官形成研究グループ、右)と筆者(左)
サロン・コンサートで「輝け、研究者」を披露する
テクニカルスタッフの黒崎まりさん(RCAI 分化制御研究グループ)

輝け、研究者 (作詞・作曲 黒崎まり)
横浜の空を照らす星のように
世界に輝く精鋭が集う
未開の山に一筋の道
つけるのが使命と
心に刻み
全身全霊 研究に励む
世界の宝であり続けるため

横浜の海を渡る鳥のように
世界に羽ばたく人材が巣立つ
まだ見ぬ島へ導く航路
示すのが責務と心に銘じ
叡智を尽くして研究に励む
世界の希望であり続けるため
Yokohama is becoming a great 'City of Science'
The brightest have come to study the true nature of living things
Following a logic tree, digging out the hidden truth
And bringing it to reality, what a challenging mission!
We climb the mountain step by step with passion and devotion
We are the treasures of the world, and will be forever




理研ニュース 

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No.295
January 2006

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発行日
平成18年1月6日
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