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研究最前線

中間子とミュオンで切り拓く新世界


SPring-8が照らし出す
タンパク質構造解析の近未来

特集
TOPICS
原酒



中間子とミュオンで切り拓く新世界


岩崎雅彦 
IWASAKI Masahiko
中央研究所
岩崎先端中間子研究室 主任研究員



岩崎雅彦 IWASAKI Masahiko岩崎先端中間子研究室は、英国のラザフォードアップルトン研究所(RAL)にある理研RALミュオン施設を運用し、触媒核融合や物性の研究を行っている。また、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の加速器を用いてK中間子を原子核に打ち込む実験を行い、高密度原子核と考えられる現象を観測することに世界で初めて成功した。質量の起源にも迫る大発見として、世界中から注目されている。「中間子を軸として素粒子、原子核から物性まで幅広く最先端の研究を行い、新しい世界を切り拓きたい。そう考えて先端中間子研究室と名付けたのです」と岩崎雅彦主任研究員は語る。中間子そしてミュオン研究の最前線を紹介しよう。

コメント01

実験室で星をつくる
 「星をつくることができたら、面白いと思いませんか?」と、岩崎主任研究員はとても楽しそうに言った。「私たちはどうやら、中性子星あるいはクォーク星と同じ状態をつくり出すことに成功したようです」。中性子星とは、星が一生の最後に起こす超新星爆発の後に残された天体で、中性子だけから成るとされる高密度天体である。最近では、中性子星よりもさらに密度の高い天体があると考えられており、それがクォークから成るクォーク星である。
 岩崎主任研究員らが中性子星やクォーク星のような超高密度状態をつくるために使ったのが、K中間子だ。中間子はいくつもの種類があり、一番有名なのは、湯川秀樹が予言してノーベル物理学賞受賞の理由ともなったπ中間子だろう。π中間子は、原子核を構成する陽子と中性子をくっつける糊(のり)の役目をしている。K中間子は、π中間子より重い中間子である。K中間子をめぐっては、一つの謎があった。「K中間子と陽子は引きつけ合うのか反発し合うのか、長い間分かりませんでした。私たちは1997年、世界で初めてK中間子と陽子は引きつけ合うことを示したのです」と岩崎主任研究員は振り返る。
 「では、原子核にK中間子を入れたらどうなるのか」。それが、岩崎主任研究員の次の研究ターゲットとなった。「理論的には、K中間子が周りの陽子を引きつけ、非常に高密度な状態ができると考えられます(表紙上段の左。右は通常の原子核)。今まで知られている原子核は、密度がどれも同じです。本当に超高密度の原子核ができたら面白い。それに、質量の起源に迫ることができるかもしれない実験です」
 われわれの宇宙は137億年前に誕生した。そのときにできた粒子は、すべて質量がゼロだったと考えられている。しかし、現在私たちの周りにある物質には質量がある。これを矛盾なく説明するために、ヒッグス粒子がクォークに質量を与えるという「ヒッグス機構」が提唱されている。「しかし、ヒッグス粒子が質量を与えることができるのは、クォークなどの基本粒子に対してだけです。陽子はクォーク3個から成りますが、実験的に知られているクォーク3個の質量を足し合わせても、陽子の質量の2%にもなりません」と、岩崎主任研究員は解説する。
 そこで、真空中にはクォークと反クォークのペアがたくさんあり、陽子や中間子はこれらを引きずって動くために質量を持つのだ、という理論が提唱されている。「原子核をぎゅっと縮めたら、“質量の元”が押し出されて軽くなるはずです。超高密度原子核をつくることができれば、その検証にもなります」


超高密度の原子核を発見か
 実験は、日本、韓国、米国から成る国際研究チームにより、岩崎主任研究員を実験責任者として、つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)で行われた。負の電荷を持つK中間子1個(K-)をヘリウム原子核(陽子2個と中性子2個から成る)に打ち込んで静止させたところ、陽子が1個飛び出してきた。飛び出した陽子のエネルギーを測ると、どういう質量の状態が形成されたかが分かる。実験の結果が図1である。「赤い矢印を見てください。これは、陽子1個と中性子2個、K-中間子1個が強く束縛された状態を示しています」と岩崎主任研究員は解説する。
 この状態を岩崎主任研究員は「ストレンジ・トライバリオン」と名付けた。バリオンとは、クォーク3個から成る陽子や中性子をいう。陽子1個と中性子2個、つまりバリオンの数が3だから「トライバリオン」。中間子はクォークと反クォークから成り、K-中間子はストレンジクォークを持つ。「ストレンジ」は、通常の原子核にはないストレンジクォークを含むことを表している。
 岩崎主任研究員は、「本当に超高密度の状態かどうかは、残念ながら今回の実験からだけでは分かりません」と断った上で続ける。「今まで誰も見ていない奇妙な状態であることは確かです。陽子1個と中性子2個として存在しているのではなく、クォーク9個として存在している、まったく新しい状態であると考えている理論家もいます」
 質量が軽くなっていることも確かめられている。「原子核の密度を上げていくと質量の元がこぼれて質量がゼロになっていく、その過程を見ているのかもしれない」と岩崎主任研究員は考えている。「私たちは、世紀の大発見だと思っています。しかし、大発見であればあるほど疑われる。そこで、確証を得るための実験を5月に行い、現在その結果を解析しているところです」
 さらに岩崎主任研究員は今後、原子核の密度の測定や、原子核に打ち込むK-中間子の数を増やしたり、より重い原子核を標的とするなど、さまざまな実験を計画している。「2008年から動きだす茨城県東海村のJ-PARC(ジェイパーク)(大強度陽子加速器)で、私たちが見つけたこの状態はいったい何なのかを明らかにする実験を続けていきたいと思っています」

図1 ストレンジ・トライバリオンの発見

ミュオンを触媒にして核融合を起こす
 岩崎先端中間子研究室のもう一つの主軸が、ミュオン研究である。ミュオンとは、電子と同じレプトンという素粒子の一種で、π中間子が崩壊するときにできる。「ミュオン科学という新しい分野を切り拓いた私の前の主任研究員の永嶺謙忠(ながみねかねただ)先生が、英国のラザフォードアップルトン研究所(RAL)に理研RALミュオン施設をつくったのが1995年。ここで発生させるミュオンビームは世界最高強度で、物性から原子核、素粒子まで幅広い分野の最先端の研究が行われています。その一つが、ミュオン触媒核融合です」
 軽い原子核同士が融合するとき、膨大なエネルギーが出る。豊富にある水素原子を使った核融合ができれば、人類は無限のエネルギーを獲得したことになる。しかし、まだ実用化には至っていない。水素の原子核はプラスの電荷を持っているため、互いに反発してしまうのだ。「プラズマやレーザーなどを使い高温にして核融合を起こす方法が研究されていますが、まだまだ難しい」と岩崎主任研究員は言う。「でも、ミュオンを仲人(なこうど)として使えば、低温でも核融合を起こすことができるんです」
 核融合には、マイナスの電荷を持つ負ミュオンを使う。電子の代わりに、負ミュオンが原子核の周りを回っているミュオン原子をまずつくる。負ミュオンは電子よりも200倍も重いため水素原子核の近くを回り、ミュオン原子の大きさは水素原子の200分の1になる。そのため、2個の水素原子核が簡単に近づき、核融合が起きる。しかも、反応後に残った負ミュオンは次の核融合の仲人として使える。岩崎主任研究員は、「ミュオンを触媒としてより効率よく使う方法の開発など課題がいくつかあり、まだ基礎研究の段階ですが、いいところまで来ています。ミュオン触媒核融合によって人類が無限のエネルギーを手にする日が来るかもしれません」と展望する。


ミュオンで磁気相転移をとらえる
 ミュオンは、物質の磁気的な性質など物性を調べる有力なツールとしても注目されている。ミュオンは、小さな磁石の性質を持っている。一方、物質の中には原子核や電子のスピンによってつくられる磁場がある。ミュオンを物質に打ち込むと、周りの磁場によって方位磁石のようにスピンの向きを変えるので、ミュオンのスピンの向きを調べれば物質の磁性が分かるのだ。
 「これは、ミュオンが物性研究にとても有力なツールであることがきれいに示されているので、気に入っているんですよ」。岩崎主任研究員はそう言って、一枚の図を示した(図2)。有機磁性体Me4P[Pd(dmit)22の磁性をミュオンスピン緩和法(μSR(ミューエスアール)法)で計測したものだ。
 有機磁性体の温度を70Kから39Kに下げてもミュオンのスピンの向きを示すグラフはあまり変わらない。ところが、38.4Kになると大きく変化する。これは、物質の電子がつくる磁場が規則的になったことを示している。「わずか0.6Kの差で、電子スピンの向きが凍り付き、物質の内部磁場構造が規則正しくそろったのをミュオンが敏感に検知したのです。ミュオンを使うと、有機磁性体の磁気相転移をはっきり観測できることが分かるでしょう」と岩崎主任研究員は解説する。有機磁性体は、記録媒体への応用や超伝導物質として期待されている。中性子や比熱による従来の物性の計測方法は有機体には適していないため、ミュオンを使った方法に期待がかかる。
 「表面化学も面白い」と岩崎主任研究員。超低速ミュオンビームを開発し、シリカ(SiO2)の基板と、その表面に蒸着した厚さ40nmのアルミニウム(Al)の磁性を区別して計測することに成功した(図3)。この研究の意義を、岩崎主任研究員はこう語る。「ミュオンの強度を増強するなど課題はありますが、私たちは分子一層一層の磁性を調べることができる、そんな夢のような測定手段を手に入れつつあるのかもしれません。多層膜や薄膜の磁性研究が進めば、より薄い大容量の記録媒体の開発などにも役立つ。ミュオン研究は、身近なサイエンスなんです」
 岩崎主任研究員は、理研の他分野の研究者との交流を大事にしている。「分子物性の加藤礼三主任研究員や表面化学の川合真紀主任研究員と仲良くさせていただいているんですよ。お互いの研究のことで、面白そうだねとか、違うよとか、言い合っています。理研には、いろいろな分野の人がいて交流がある。私が理研をとても気に入っている理由です。そこから刺激を受けて、鼻を効かせて、面白そうだと思ったことをどんどんやっていきたいですね」

図2 ミュオンスピン緩和法(μSR法)による有機磁性体の磁性計測
図3 超低速ミュオンビームからのμSR法によるアルミニウム薄膜の磁性測定



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SPring-8が照らし出す
タンパク質構造解析の近未来


山本雅貴 
YAMAMOTO Masaki
播磨研究所
研究技術開発室 室長



山本雅貴 YAMAMOTO Masakiタンパク質は巧妙に折り畳まれた立体的な構造を持つことでそれぞれ固有の機能を発揮し、生命現象のあらゆる反応を実現している。しかし、従来のタンパク質の構造解析は、多くの労力と時間がかかる仕事だった。「1つのタンパク質の構造が、数年かけて決定できればいい方でした」と、山本雅貴室長は自らが学生時代を過ごした1980年代後半を振り返る。1980年代後半まで、タンパク質の構造決定数は世界全体で年間数十を超えることはなかった。それが2004年には、1年間で約5500種もの構造が決定された。この変革をもたらした最大要因の1つが、放射光による構造解析技術の進展である。研究技術開発室は、世界最高輝度の放射光を誇るSPring-8を駆使して、構造解析技術の最先端を切り拓いている。

コメント02

タンパク質の構造解析がもたらすインパクト
 「タンパク質は最も効率の良い、優れた“分子機械”です」と山本室長は言う。タンパク質は、遺伝子の情報に基づいて約20種類のアミノ酸が連なり、それが折り畳まれて立体的な構造を持った高分子化合物である。「遺伝子の情報は、アミノ酸という“タンパク質の部品構成表”にすぎず、それだけでタンパク質の機能を説明することはできません。タンパク質の機能を知るには、部品がどのように組み立てられて分子機械として機能しているのか、“部品の組み立て図”であるタンパク質の構造を知ることが必要です」
 タンパク質の構造と機能が分かれば、生命現象を分子レベルで深く理解できるばかりでなく、私たちの暮らしや社会に大きな恩恵をもたらす。「生命科学の最大の目的は、私たちのQuality of Life(生活の質)の向上だと思います。構造解析の最大のターゲットは、病気に関係しているタンパク質です」。例えば、病気に関係しているタンパク質の構造と機能が分かれば、その働きを強めたり、抑えたりする薬をデザインすることができる。
 「酵素(生体内の化学反応を促進する触媒となるタンパク質)の構造による機能の違いが分かれば、理論的に構造を改変して、天然にはない高い機能を持つ酵素をつくれます」。このように優れた人工タンパク質を理論的にデザインすることができれば、化学や食品、素材などあらゆる産業分野に計り知れないインパクトをもたらし、食糧問題や環境問題、エネルギー問題の解決に大きく貢献できる。


X線結晶構造解析法の2大障壁
 タンパク質の構造解析の代表的な方法は、「X線結晶構造解析法」である。これは可視光よりも波長の短いX線を用いて、原子スケールの解像度でタンパク質の立体構造を調べる方法である。ただし、1個のタンパク質にX線を当てても、相互作用が小さ過ぎてタンパク質からの信号を観測できない。そこで、たくさんのタンパク質が規則的に並んだ結晶をつくりX線を当てる。すると結晶中の原子に当たって回折・散乱したX線の波が重なって干渉し、斑点模様の回折像をつくる。この回折像からタンパク質の構造を導き出すことができる(図1)。
 このX線結晶構造解析法によりタンパク質の構造が初めて決定されたのは、1950年代末のことである。しかし1990年の時点でも、構造が解析されたタンパク質は累計で500種ほどにすぎなかった。これはX線結晶構造解析法に2つの大きな障壁があるためだ。
 障壁の1つはタンパク質の結晶化である。「こうすればタンパク質の結晶ができるという原理・法則が分かっていません。そこで現在でも、タンパク質の結晶は、今までの経験則に基づく多くの試行錯誤の末に、偶然にできるのです」
 もう1つは、回折像からタンパク質の構造を導き出すときの問題である。「光(可視光)には散乱した光を1点に集めて結像させるレンズという素晴らしい装置があります。しかし、X線にはレンズがありません。そこで、タンパク質の結晶に当たって回折・散乱したX線のデータを、コンピュータ上でフーリエ変換という数学の手法を使って結像させ、構造を導き出します」
 ただしフーリエ変換で結像させるには、回折像に示された斑点のパターンと強度だけでは情報が足りない。回折・散乱したX線の波の山と山、谷と谷の位置(位相)がどのくらいずれて重なり、斑点をつくったのかが分からないのだ。その位相情報を知るために「多重同形置換法」が用いられてきた。タンパク質の結晶に回折強度が異なる重金属のラベルを付けた2種類以上のサンプルをつくり、その回折像を比較する方法である。しかし重金属がうまく付かなかったり、付けると結晶の形が変わってしまったりして、サンプルの作製に年単位の時間がかかる場合も多かった。

図1 X線結晶構造解析法

SPring-8が変革をもたらした
 X線結晶構造解析法の2大障壁は、現在でも完全に解決できたわけではないが、1990年代以降、構造解析のスピードが急速にアップした。その大きな要因は、遺伝子工学の進展により、結晶をつくるために必要な高純度のタンパク質を大量につくり出すことが可能になったことと、放射光という明るいX線を本格的に利用できるようになったことである。
 放射光とは、加速器リングの中で発見された、電子が磁場の力で軌道を曲げられるときに発する光である。「1980年代、私が学生時代に実験室で用いていたX線発生装置よりも、1000〜10000倍も明るいX線が、現在の一般的な放射光施設で利用できます。実験室で1〜2ヶ月かかった回折像の測定が、放射光を使えば10分程度で可能です」
 放射光のもう1つの大きな利点は、X線の波長を任意に変えられるので、「多波長異常分散法」という位相情報を得る新たな方法が利用できるようになったことだ。この方法では、遺伝子工学によりセレンという元素でラベルしたタンパク質をつくり、それを結晶化したサンプルを1種類だけ作製すればよい。従って、サンプルの作製時間が大幅に短縮できる。セレンは利用するX線の波長範囲で回折強度が大きく変化する性質がある。セレンでラベルした結晶サンプルに波長を変えたX線を当てて測定すると、セレンの回折強度の違いから位相情報が得られる。「ただし波長によるセレンの回折強度の変化は大きいといっても数%なので、誤差の少ない高精度のデータをとる必要があります。1990年代の半ばまで、第2世代と呼ばれる放射光の専用施設を使っても、多波長異常分散法がうまくいかない場合が多いという状況でした」
 1997年10月、理研と日本原子力研究所が建設したSPring-8の利用が開始された。SPring-8は、電子が周回する加速器リングに、放射光の輝度や平行性を高めるための挿入光源と呼ばれる装置を数多く取り入れた、第3世代と呼ばれる放射光施設である。第3世代の中でもSPring-8の放射光は世界最高輝度を誇るとともに、細く平行性の高いX線が得られる。結晶サイズよりも広がったX線を当てると、結晶以外の空気や溶液にX線が当たって散乱し、それがすべてノイズになる。ノイズが少なく高い精度の測定が可能なSPring-8の登場により、多波長異常分散法を本格的に利用できるようになった。


微小結晶で構造を解く
 「SPring-8にしかできないことを早急にできるようにすること。それが私たちの使命です。高輝度光源であるSPring-8に最も期待されているのは、微小な結晶でも解析できるようにすることです」
 10μmくらいの小さな結晶ならばつくれる場合も多いが、それ以上には大きく成長させられないために、解析できない重要なタンパク質がたくさんある。また、小さな結晶で解析できれば、結晶化に使うタンパク質の量は少なく生成時間も短くて済む。結晶化のコストと時間を大幅に短縮することができるのだ。
 現在、結晶の大きさは実験室のX線発生装置で300μm程度、第2世代の放射光施設で200〜300μm程度が必要だが、SPring-8では100μm弱でも構造解析できるようになった。さらに数十〜数μmのサイズでも構造解析することを、山本室長たちは目指している。それには、加速器リングで発生した放射光を、サンプルに導く装置であるビームラインの改良が必要である。「海外では、微小結晶専用のビームラインをつくって20〜30μmの結晶で構造を決定したという例がいくつか報告されています。私たちはSPring-8のどのビームラインでも、誰もが日常的に微小結晶の解析ができるようにしたいと考えています」
 構造解析するには、微小結晶のサイズにX線を細く絞り込み、正確に当てて測定する必要がある。さらに微小結晶の解析には、放射線損傷という大障壁があると山本室長は言う。結晶が小さいと、その中に含まれているタンパク質分子の数も少ない。解析に必要な回折データを得るには、より強いX線を結晶に当てる必要がある。しかしX線が強過ぎると、結晶の形が崩れてしまう。X線が結晶中の原子に当たって、その一部が壊れることは原理的に避けられない。それ以外にも、結晶をつくるタンパク質同士のすき間にある水がX線と反応して活性化し、タンパク質に損傷を与える化学的な反応が進行する。この化学的な反応は、測定時間が短いほど影響を小さくできる。ビームの安定性に優れたSPring-8ならば、短時間で精度の高いデータを測定できる。
 「SPring-8ではもうすぐ1つの回折データを約300秒で測定できるようになります。測定時間をさらに短くするために、検出器を改良する研究を企業と共同で行っています。最終的には測定時間を10秒単位まで縮めたいと考えています」
 数十μmの結晶は2〜3年後、数μmでも10年後には、SPring-8によって誰でも測定できるようにすることを、山本室長らは目指している。


測定の全自動化を目指す
 タンパク質の構造と機能を調べるナショナルプロジェクト「タンパク3000」の網羅的解析の研究拠点として、播磨研究所は理研横浜研究所と連携して、重要なタンパク質を高速かつ大量に解析している。そのために、研究技術開発室は測定の自動化技術の開発を進めてきた。
 「今までは研究者がSPring-8にやって来て、結晶サンプルを1つずつ測定装置にセットして測定していました。サンプルの交換も手作業でした」
 山本室長らは、52個のサンプルを入れる専用トレイや、そのトレイからサンプルを取り出し測定装置へのセット・交換を自動的に行うサンプルチェンジャー「SPACE」を開発した(図2表紙下段)。さらにデータ測定やビームラインを一括管理するソフトウェアの構築も進めている。「研究者からサンプルが入った専用トレイを宅配便でSPring-8に送ってもらう。SPring-8ではビームライン専属オペレーターがトレイを装置にセットして全自動で測定を行い、データをオンラインで研究者に送る。このようなシステムを近い将来実現したいと思います」
 最終目標は構造解析の自動化だと山本室長は言う。「構造と機能のデータベースが充実すれば、今までのパターンから位相を決めて構造を導けるはずです。それが究極の夢ですね」
 山本室長率いる研究技術開発室により、構造解析の新たな時代が開かれようとしている。

図2 サンプルチェンジャー「SPACE」



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発生・再生科学総合研究センター 今後の展望

竹市雅俊センター長に聞く



竹市雅俊センター長発生・再生科学総合研究センター(CDB)は、発生と再生の基礎研究を体系的に行い、その成果を再生医療へつなげることを目指し、2000年4月に設立された。発生・再生研究に特化した研究所としては世界最大規模を誇り、発生生物学の基礎研究と医学分野の密接な相互作用により生み出される最先端の研究成果に、世界中から熱い視線が注がれている。CDBのこれまでの成果、そして今後の展望を、竹市雅俊センター長に聞いた。


――発生と再生の研究が注目されるようになったのはなぜでしょうか。
竹市:再生医学が実現可能になるのではないかという機運が高まってきたためでしょう。そのきっかけは、胚性幹細胞(ES細胞)と体性幹細胞の発見です。ES細胞は、発生のごく初期の胚から得られる細胞で、体のあらゆる細胞に分化する能力、全能性を持っています。1981年にマウスのES細胞が発見され、1998年にはヒトの胚からES細胞を取り出すことに成功しました。
 私たちの体をつくる細胞は、肝細胞など特殊なものを除いては再生能力がないと思われていました。ところが、ES細胞のように全能性はないが、特定の細胞に分化する能力を持つ体性幹細胞があるらしいことが分かりました。ヒトES細胞や体性幹細胞の分化をコントロールできれば、病気などで失われた組織や臓器を再生することができるかもしれないという期待が生まれてきたのです。
 私たちの体がどのようにできるのか。この疑問に答えるのが発生生物学ですが、これはとても長い歴史を持っています。発生生物学の分野で「再生」というと、トカゲのしっぽを切っても生えてきたり、プラナリアの断片が1個体になるといった現象を指します。再生は面白い現象なので古くから研究されていましたが、停滞していました。それが遺伝子工学やゲノム解析が進んだおかげで、発生や再生の過程で働いている遺伝子が、この20年ほどで次々と明らかになってきました。この成果を医学系の研究者が再生医学に応用できるのではないかと考えたわけです。「仕組みが分かればいい」と研究している理学系の研究者だけからは、出てこない発想ですね。


独立・専任・国際性・教育・人材流動
図 マウスのES細胞から誘導された大脳基底核(線条体)の神経細胞――どのような構想のもと、CDBを設立したのですか。
竹市:基礎研究を中心とした発生・再生研究を行い、その成果を医学へとつなげることができる研究所を目指しました。発生・再生に特化した研究所で、研究員が200名を超える、このような大規模なものは世界で初めてです。しかも、この5年で数々の成果を出していますから、海外からも注目され、たくさんの方が視察に訪れています。
 組織をつくるに当たっては、研究グループや研究チームはすべて対等で独立したものとしました。でも、これは特に新しいことではありません。日本では序列をつくりたがりますが、国際的な常識を実現しただけです。グループディレクター、チームリーダーは、ほぼ全員が専任です。大学との兼任は例外的です。これは理研内ではCDBの特徴の一つといえるでしょう。私は自分の経験を通して、研究室は1ヶ所に集中すべきだと強く思っています。
――広報・国際化室を設け、海外への情報発信に力を入れていらっしゃいますね。
竹市:はい。国内トップを目指すのではなく、国際的に高い評価を受ける研究所をつくってこそ、やりがいもあります。国際的であることは、われわれの最も重要な視点です。
 一方で、国内の大学との連携も積極的に行っています。現在、京都大学、神戸大学など5つの大学と連携大学院の協定を結んでいます。昨年9月には、「連携大学院集中レクチャー・プログラム」を実施し、CDBの研究者による2日間の集中講義と研究室訪問などを行いました。好評だったので、今年もやります。私が大学にいたころ、実は理研はよく分からない存在でした。大学との関係を積極的に図ることで、大学や社会からも“よく見える存在”になっていくでしょう。これは理研にとって、必要不可欠なことだと思います。
 研究者には、良いチャンスがあれば大学やほかの研究機関へ移ることを勧めています。CDBは通過点であってもいい。優秀な研究者には、大学で優秀な人材を育ててもらうことも必要です。例えば、プラナリアの再生メカニズムを研究している阿形清和グループディレクターは、この4月に京都大学に移籍しました。彼が人材流動の良いモデルになればと思っています。
――設立から5年。どのような成果が出ていますか。
竹市:たくさんの成果が挙がっていますが、再生医学についていえば、笹井芳樹グループディレクター(細胞分化・器官発生研究グループ)が、マウスのES細胞から大脳の特定の領域にある神経細胞を効率的に誘導することに成功しました()。これまでES細胞から神経細胞をつくることができると分かっていましたが、特定の種類の神経細胞だけに分化させることは難しかった。ヒトES細胞で可能になれば、神経変性疾患や脳梗塞(こうそく)などの治療につながると注目されています。
 大発見は、失敗や偶然からポッと出てくるものです。それを耐えて待つこと、そしてそれができる環境づくりが大事だと思っています。私がセンター長としてできることは、研究者が自由に、しかも先進的なアイデアを出せる土壌をつくることですね。
――竹市センター長が発見された細胞接着分子カドヘリンは、がんの転移を防ぐ治療薬に使えるのではないかと注目されています。基礎研究の臨床応用に、どのような展望をお持ちですか。
竹市:カドヘリンの研究が進むにつれ、これは医療に応用できると、確信するようになりました。私は医学系の研究者との付き合いが多かったので自然な発想でしたが、ふつう理学系の研究者には医療につなげるという意識はあまり多くはない。ここの研究者たちには、基礎研究を存分に楽しみながらも応用研究にどうつながるかということも頭の片すみに入れておくように、と言っています。医療への応用は、副センター長でもある西川伸一グループディレクター(幹細胞研究グループ)など医学系の研究者が中心になって、着々と下地づくりが進んでいます。
 ただし、CDBで臨床応用そのものはできません。CDBがあるポートアイランドには「神戸医療産業都市構想」のもとで先端医療センターやベンチャー企業などが集まり、基礎研究と臨床応用、さらに医療産業を結び付ける「トランスレーショナルリサーチ」のモデル形成を目指しています。CDBは、あくまでも基礎研究に徹して、世界に通用し、ブレークスルーとなる質の高い研究をする、それを応用につなげるのは先端医療センターやベンチャー企業に託す、と腹をくくった方がいい。そのためにも、われわれは外に情報を発信しなければなりません。基礎研究の成果を臨床に応用するためには、研究機関と医療機関、企業が互いに鋭敏になっていることが必要です。


目で見る楽しさに魅せられて
――竹市センター長は、なぜ発生学の研究の道を選んだのでしょうか?
竹市:子供のころから生物が好きで、昆虫採集はよくやりました。いろいろな色や形をした昆虫を見ていると楽しかった。生物学にはいろいろな分野がありますが、受精卵がどんどん変化していく様子は、見ていて感動します。だから発生学にひかれたのでしょう。発生の過程で働いている遺伝子はどんどん見つかっていますが、それらがどのようなネットワークをつくって働いているのかはまだ分からない。これからもやらなければならないことが、たくさんあります。
――最後に、竹市センター長の夢をお聞かせください。
竹市:恐竜時代に行ってみたいですね。ほかの星の生命も見てみたい。地球だけで生命が生まれたとは考えにくいですし、DNAとは違ったシステムを持つ生命がいるかもしれませんしね。生命誕生や進化をこの目で見たい、それは生命科学の研究者として当然の興味ですし、とてもエキサイティングなことです。



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TOPICS
理研の研究施設を一般公開


当研究所は、科学技術週間(4月18日〜24日)に合わせて、和光研究所をはじめ各所を一般に公開しました。それぞれの研究所ではさまざまな催しが行われ、理研の研究内容をアピールするとともに、地域との交流を深める絶好の機会となりました。

和光研究所
●和光研究所 和光研究所は4月23日(土)に施設を公開しました。各研究室や研究施設では、体験型の展示やパネルを使い研究内容を紹介しました。一般向け講演では、ヘンシュ貴雄チームリーダー(脳科学総合研究センター 神経回路発達研究チーム)が「脳の発達“臨界期”」、森田浩介先任研究員(フロンティア研究システム 重イオン加速器科学研究プログラム)が「新元素(113番元素)の合成」と題して最先端の研究を紹介、両講演とも多くの来場者がありました。小・中学生向けイベントも好評で、特に「バーチャル野球場で魔球と対戦しよう!」、「“見えない世界”をコンピュータで見る」、「科学戦隊“実験ジャー”」などは多くの家族連れでにぎわっていました。当日は天候にも恵まれ、来場者は過去最高の約7100名となりました。


筑波研究所

●筑波研究所 筑波研究所は一般公開を4月20日(水)、特別公開を4月23日(土)に開催しました。各研究室による実演や展示、さらに来場者参加型の実験教室を通して研究内容の紹介を行いました。科学の奥深さを語る研究者の説明には、来場者の方々も熱心に耳を傾けていました。また、研究の一端に触れてもらおうと開催した実験教室では、野菜からDNAを取り出す実験や、マイクロピペッターと電気泳動装置を使ってDNAの長さを比べる実験に、子供から大人まで大勢の方が熱心に取り組んでいました。マウスと一緒にプリクラが撮れるコーナーや記念写真でカレンダーを作るコーナーなども好評を博しました。2日間で近隣の方々を中心に約930名の来場者がありました。


播磨研究所

●播磨研究所 播磨研究所は4月23日(土)、大型放射光施設SPring-8の施設公開に合わせて一般公開を開催しました。蓄積リング棟の理研コーナーでは、放射光研究を支えるマシン収納部やビームラインなど普段は見られない設備や機器の公開、研究者自身によるX線自由電子レーザーや構造生物学など最先端の研究紹介、「エアパッドですいすいすべる」や「果物電池を作る」、「タンパク質分子の観察」などの体験コーナーに、年齢を問わず多くの人々が高い関心を示し、大盛況となりました。当日は天候にも恵まれ、SPring-8施設全体で2500名以上の来場者がありました。


神戸研究所

●神戸研究所 神戸研究所は5月21日(土)、発生・再生科学総合研究センター(CDB)の施設を公開しました。笹井芳樹グループディレクター(細胞分化・器官発生研究グループ)と高橋淑子チームリーダー(パターン形成研究チーム)による一般向けの講演をはじめ、簡単な生物学実験の体験コーナーや実験動物の展示などのさまざまなイベントを行いました。同時に企画展示として「神経発生」と「マウス研究」についてパネル展示や研究紹介を行いました。また、研究室の一部を開放し、各フロアではポスターによる各研究室の研究内容の説明、さらにCDBオリジナルゲームカードのプレゼントなど盛りだくさんの内容で、来場者の方に楽しんでいただきました。当日は晴天にも恵まれ、約1400名の来場者がありました。


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「ジョイントリトリート」を開催


「ジョイントリトリート」を開催 脳科学総合研究センター(BSI)、発生・再生科学総合研究センター(CDB)、中央研究所(DRI)、免疫・アレルギー科学総合研究センター(RCAI)の4組織共同による、「RIKEN 2005 BSI、CDB、DRI、RCAI ジョイントリトリート」が、5月9〜10日の2日間、熱川ハイツ(静岡県伊豆町)で初めて開催されました。相澤慎一 CDB副センター長らがオーガナイザーとなった今回のリトリートは、4機関の質的向上を図ることを目的として開催されたもので、約120名の研究者とテクニカルスタッフらがポスターセッションや口頭発表を行い、研究者同士の意見交換と交流を深めました。


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「量子色力学」専用計算機が完成


理研BNL研究センター(RBRC)は、米国コロンビア大学などと共同で、物質を構成する素粒子同士を結び付ける力の理論「量子色力学」の専用計算機(QCDOC)の完成を祝い、5月26日、ブルックヘブン国立研究所(ニューヨーク州)内で完成披露式典を行いました。この専用計算機は、10テラFLOPS(フロップス)(演算速度:10兆回/秒)級の演算能力を持ち、「クォーク」や「グルーオン」の量子色力学計算に適しています。このタイプとしては世界最高の演算能力を持ち、今後、精密な素粒子標準理論の検証を通じて、新しい物理の発見を目指します。式典にはN. P. Samios(サミオス) RBRCセンター長、T.D.Lee コロンビア大学教授(前RBRCセンター長)、土肥義治 理事、茅幸二 和光研究所長、姫野龍太郎 情報基盤センター長らが出席し、盛大に行われました。
「量子色力学」専用計算機が完成

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理研広報ビデオが科学技術映像祭と
TEPIAハイテクビデオコンクールで受賞


当研究所の研究活動を紹介する広報ビデオが、下記の賞を受賞しました。
理研広報ビデオが科学技術映像祭と
TEPIAハイテクビデオコンクールで受賞

「原子番号113の元素創成〜核物理学の夢に挑む〜
科学技術映像祭文部科学大臣賞/
TEPIA最優秀作品賞・映像文化製作者連盟会長賞
「シリーズ女性科学者のパイオニアたち
映像評伝和田水 紅花にかけた生涯」

TEPIA奨励賞
「科学のフロンティアシリーズ7 ナノ精度から微細加工まで
〜未来を創る超鏡面加工技術ELID〜
科学技術映像祭文部科学大臣賞/TEPIA優秀作品賞
「ようこそ! 理化学研究所 横浜研究所へ(企画:理研横浜研究所)
TEPIA奨励賞



理研特許情報の検索システム


理研特許情報の検索システム 理研知的財産戦略センターは、理研の有用な研究成果を産業界に有効に利用していただくために、保有する特許情報のデータベース・検索システム(R-BIGIN)を整備し、ホームページ上で公開しました。テクノマップ検索などにより、出願公開された明細書などの詳細情報を産業分野別、研究分野別に検索・閲覧できます。知的財産戦略センターのホームページ(http://r-bigin.riken.jp)から「ナレッジ・ショウウィンドウ」をご参照ください。

問い合わせ先
知的財産戦略センター 知的財産戦略グループ 企画戦略チーム
TEL:048-462-5475 
FAX:048-462-4718


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原酒
究極の緊張解消法?


森山麻里子
MORIYAMA Mariko
発生・再生科学総合研究センター 幹細胞研究グループ テクニカルスタッフ


究極の緊張解消法? 子供のころはマズイ! と思っていたお酒、いつの間に好きになっていたのでしょう。酒癖の悪さは一級品と自負するまでに成長しました。勤務していた某酒造会社を辞め、現在の研究室にお世話になったのですが、上司も某ビール会社から移ってこられた方。呪縛(じゅばく)からは逃れられないようです。奇(く)しくもこのページの名前も「原酒」。この原稿の依頼をいただいたとき、「原酒」がどういう趣旨のページか知らなかった私の上司が一言、「森山さんがお酒好きって、和光の人にまで知られているんだ……」。いえ、きっと違いますよ。

さて、人間誰でも“熱い”想(おも)いを持っているとは思いますが、普段そんな想いを言うのはなかなか恥ずかしかったりします。私は某番組で若者たちが“熱い”トークを展開しているのを見ると、妙に背中がかゆくなってチャンネルを変えちゃったりするのですが、飲んだときって平気でそういう話ができたりしませんか? もちろん、それに限らず、お酒を飲みながら話すと、よりいっそう心が開いて、いろいろなことを相談したりされたり、くだらない話も妙に面白かったりと、私にとってお酒とはコミュニケーションに欠かせない重要アイテムとなっています。飲み過ぎて覚えてないことも多いんですけどね……。

そんなわけですので、学会の懇親会も大好きです。人見知りがちな私は、初対面の人の前だとすごく緊張してしまうのですが、お酒が入っていることによって、いろいろな人と楽しくお話しできたりします。発表の内容で聞きたいことがあるのだけれど、くだらなさ過ぎてとてもみんなの前じゃ質問できない……、けど聞きたい。というときも、懇親会の席なら思い切って聞くこともできます。緊張を解いてくれる、というのはお酒の良い効用の一つだと思っています。

緊張といえばプレゼンテーションです。みんながこちらを注目していて、その中で、一人で話さなければならないあの重圧。時間がたてば少しは慣れてくるのですが、出だしが大変。顔は赤くなっているだろうし、変な言語を話している気がするし、“分かりやすいプレゼンテーションをする”以前の問題です。そんな私にも最近、ポスターではありますが、学会での発表という機会が与えられました。しかも初めての海外での学会。「ポスターなんだから大丈夫だって」と言う皆さんの励ましをよりどころに、パリへ旅立ちました。ポスター発表は立食による昼食後です。するとなんと! 昼食にグラスワインが出ている! さすがフランス。発表が控えているしどうしようか迷ったのですが、気が付けばしっかり腹の中に収まっておりました。でもおかげさまで効果抜群。かなりの方が次から次へとポスター発表を聴きに来てくださったのですが、緊張というものを感じなかったせいか無事終了。『ベストポスタープライズ』なるものまでいただいてしまいました。また今年の4月は幹細胞シンポジウムへ出席させていただいたのですが、そのときは懇親会兼ポスター発表という形がとられており、やはりお酒を飲みながらのポスター発表でした。飲み食いに一生懸命になってしまった貧乏性の私は、ポスター前に行くのが遅れてしまい、「見に行ったのにいなかった」なんておしかりも受けてしまいましたが、やはりそれほど緊張もせず、楽しくディスカッションすることができたと思います。

こんな学会ばかりだと助かるのに。オーラル(口頭発表)も、演台に置く飲み物にメニューがあって、「ビールお願いします」と勝手に選べたりして。あり得ないだろうなぁ。





理研ニュース 

7
No. 289
July 2005

理研ロゴ
発行日
平成17年7月5日
編集発行
独立行政法人
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