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見どころ |
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オリジナル制作の3Dコンピュータグラフィックス映像 |
「セントラルドグマ」映像では、ゲノムの本体であるDNAに記された情報から、体を形作るタンパク質ができるまでの仕組みを、迫力の3Dコンピュータグラフィックスでご紹介します。
「RISA-384シーケンサーの仕組み」映像では、理研と独立行政法人科学技術振興機構(JST)が株式会社島津製作所と協力して1996年から開発した大容量DNAシーケンサー※7(RISA[RIKEN Integrated Sequence Analyzer]シーケンサー)の「RISA‐384」が、塩基配列を読みとる仕組みを解説します。
2つの映像は、最新の知見を踏まえ、理研内外の研究者の監修の下で制作しました。
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| 「セントラルドグマ」 |
「RISA‐384」 |
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DNAブックTM(実物) |
DNAブックTMは理研で開発した技術で、水溶性の特殊な紙にDNAをインクのように染み込ませて製本したものです。
DNAブックTMにより、従来に比べて格段に簡便な手法で、DNAサンプルを流通させることができるようになりました。
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「DNAブックTM」
ページの1つ1つの枠内にDNAサンプルが印刷されており、研究者は必要な部分を切り取って水に溶かし、PCRなどでDNAを増幅することによって、短時間で目的のサンプルを回収できる。 |
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実際に使用されたDNAシーケンサーの部品(実物) |
キャピラリーアレイカセットと呼ばれるこの部品は、RISA‐384にセットして使うもので、DNAサンプルを注入して電気泳動させるための384本のキャピラリー(ガラス細管)が束ねられています。RISAの開発当時のDNAシーケンサーは96本キャピラリーが主流で、一度に解析できるサンプル数が96だったのに対し、RISA-384ではその4倍の384サンプルを処理することができました。
理研では、この高速大容量のDNAシーケンスシステムの開発により「マウス遺伝子エンサイクロペディア計画」を遂行し、その後も研究を発展させ、「RNA新大陸の発見」という大きな成果を得ることができました。
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「RISA-384」のキャピラリーアレイカセット
ガラスの細管(キャピラリー)を384本束ねたもので、中でDNAの解析サンプルを電気泳動させ、レーザー光で塩基配列を読み取る。 |
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SMAP法の診断試薬キット(見本) |
SMAP(SMart Amplification Process)法は、理研が開発した高速DNAタイピング技術で、個人の遺伝情報の違いをサンプルの血液から30分以内で検出して、迅速かつ確実な診断を行うことができます。
ここでは、肺がんに用いられる抗がん剤の一種である「ゲフィチニブ(イレッサ)」がその人に効くかどうかを調べる診断試薬キットを展示します。
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SMAP検査キット
手術検体の直接迅速診断に優れ、横浜市立大学附属病院の専門外来で採用されている。株式会社ダナフォーム(理研ベンチャー)が販売。 |
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RNA新大陸 |
| 理研の研究により、ゲノムDNA上の情報をもとにタンパク質が作られる、という生命現象の基本部分において、従来DNA上で「ジャンク(くず)」領域と言われてきた場所からも実は大量のncRNA(非タンパクコードRNA)が転写されており、生体内で多様な働きを担っていることがわかった。理研ではこの研究成果を、RNA研究の大きな新分野が開けたという意味で、比喩的に「RNA新大陸」と呼んでいる。 |
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| ※2 |
マウス遺伝子エンサイクロペディア計画 |
| 生体内でのゲノム情報の働きを調べるには、実際にDNAから転写されているmRNAの情報を調べることが不可欠である。本プロジェクトでは、マウスのゲノムDNAから遺伝子として機能している部分を調べるため、DNAから転写されたmRNAの「逆コピー」にあたる「完全長cDNA」を網羅的に収集・解析した。このプロジェクトのために理研が開発した一連の完全長cDNA技術は、さまざまな生物種のcDNAプロジェクトなどで幅広く利用されている。 |
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| ※3 |
完全長cDNA |
| mRNAは分解しやすいため、逆転写酵素を使ってDNAにその情報を人工的に「逆コピー」して、安定して情報を読み取れるようにする。こうしてmRNAから合成されたDNAを、相補DNA(cDNA)という。完全長cDNAとは、成熟したmRNAが持つ独特の構造である先端のキャップ構造から末尾のpolyAテールまでを鋳型として合成されたcDNAで、mRNAの完全な情報を持っている。 |
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ゲノムネットワークプロジェクト |
| 文部科学省が2004年度より推進しているプロジェクトで、ゲノム機能などにかかる集中的解析と個別生命現象の解析を行い、得られた成果を統合データベースとして整備して、標的とした疾患などの原因遺伝子から発現に至るまでに関係する遺伝子やタンパク質の相互作用を、生体分子の統合的なシステムとして明らかにすることを目的としている。理研は、プロジェクトの中核機関として大量データの産出・解析、技術基盤の整備を行っている。その成果は、ライフサイエンスの根源に関わる生物学の基礎的な理解を増進するとともに、効率的なゲノム創薬および画期的な病気の治療法の開発にも貢献するものと期待されている。 |
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オーダーメイド医療 |
| 人の体質には個人差があり、例えば、同じ薬を投与しても、効く人・効かない人・副作用が出てしまう人などが出てくる。このような個人差をあらかじめ調べることにより、一人一人の体質に合わせた効果的な治療・投薬を行うのがオーダーメイド医療である。 |
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| ※6 |
SMAP法 |
| 理研が開発した等温DNA増幅法。個人の体質を調べるためには、DNAの中の1塩基の違い(SNP)を正確に識別して増幅する必要があるが、SMAP法では複数の酵素と独特な形状のプライマーを組み合わせてこの目的を達成している。血液などの臨床検体からでもDNA精製作業を必要とせず、30分以内と短時間で正確な診断結果が得られる。 |
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| ※7 |
DNAシーケンサー |
| DNAの塩基配列を自動で読みとる装置のことで、その基本概念は80年代初頭、当時東京大学理学部の教授であった和田昭允(理研ゲノム科学総合研究センター初代所長、現在、同研究センター特別顧問・東京大学名誉教授・お茶の水女子大学理事などを務める)により、初めて提唱された。今世紀に入ってから高速化・低コスト化など著しく技術が進展し、生物学の研究手法を一変させつつある。 |