お知らせ 独立行政法人 理化学研究所
株式会社ナノメンブレン
燃料電池用薄膜の開発等を行う(株)ナノメンブレンを理研ベンチャーに認定
- 事業の柱は有機・無機の高機能ナノ膜技術 -
平成19年10月10日
 独立行政法人理化学研究所(野依良治理事長)は、フロンティア研究システム(玉尾皓平システム長)時空間機能材料研究グループ トポケミカルデザイン研究チーム(國武豊喜グループディレクター兼チームリーダー)が開発した高機能ナノ膜技術を事業基盤として設立(平成19年9月14日)したベンチャー企業、「株式会社ナノメンブレン」を理研ベンチャーに認定しました。
 (株)ナノメンブレンの事業の基盤となる、ナノの厚みで十分な強さとサイズを持つ高機能膜技術は、時空間機能材料研究グループ トポケミカルデザイン研究チームが、有機、無機薄膜に関する基礎研究開発で、世界に先駆けて実現に成功した研究成果です(2006年5月22日プレス発表)。時空間機能材料研究グループは、2007年9月末に8年間にわたる研究期間を満了しましたが、新たにベンチャー企業を立ち上げ、この一連の革新的技術の研究成果を産業界に展開、普及していくことになります。とくに、次世代燃料電池の開発や海水の淡水化など、人類が直面する資源、環境問題の解決への貢献が大いに期待できます。
 理研は、理研の研究成果をより一層効果的に実用化に結びつけるため、研究者による起業を積極的に支援しています。具体的には、理研の研究成果で取得した特許権に基づく事業を行うために、研究者が設立に参画する企業の中で、理研が社会的意義、科学技術の振興等の観点から有意義であると認めたものを理研ベンチャーとして認定しています。(株)ナノメンブレンを理研ベンチャーと認定し、知的財産権の実施許諾や施設利用の優遇措置を認めるなどの支援を行うことにより、革新的な理研の研究成果の社会還元を加速します。
 (株)ナノメンブレンの設立により、理研ベンチャーとして認定した企業は累計27社(現在23社)となりました。


1. 技術
 時空間機能材料研究グループ トポケミカルデザイン研究チームは、有機、無機薄膜の基礎研究において世界をリードし、世界に先駆けて巨大ナノ膜を多様な素材から作製に成功するなどの成果を挙げています。この膜技術は、特定の物質の分離、選択的な透過など、様々な産業分野で不可欠の役割を担う技術であり、広い範囲に渡って、応用研究が急速に進むと考えられます。
 特に、新規開発されたイオン伝導性ナノ膜技術は、燃料電池の心臓部である電解質膜として、長年待ち望まれていた中温域作動型の燃料電池の実用化を一気に加速する可能性を持っています。現状の電解質の膜厚は、10〜100μmであり、膜の変形を防ぐ支持体がない場合には、1μm前後の厚みが実用的な限界とされていました。今回、これより100倍も薄い100ナノメートル以下という極限的な薄さで、しかも安価な原材料から、実用的な強度とサイズを持つ新規電解質膜の開発に成功しました。これにより、燃料電池の発電効率の大幅な向上や、システムの簡素化が可能になります。現在、空白の作動温度域となっている中温域(200〜400℃)において作動する新概念の燃料電池の開発が大きく前進し、再生可能なエネルギー社会への貢献が期待されます。
 (株)ナノメンブレンは、理研が開発した膜技術の関連特許を優先的に実施し、自動車向けの実用的な中温作動性電解質膜と、これを組み込んだ単セルの開発、製造及び販売を行うベンチャー企業として、2007年9月14日に設立されました。


2. 企業概要
(1)名称: 株式会社ナノメンブレン
(2) 設立年月日: 平成19(2007)年9月14日
(理研ベンチャー認定日:平成19年9月28日)
※ 認定期間は5年間(ただし、必要と認めるときは10年まで延長可能)
(3)本社所在地:〒146-0092東京都大田区下丸子二丁目12番15−118
(4) 事業内容:
1 燃料電池関連製品の製造、販売
2 薄膜応用製品の製造、販売
3 関連する研究開発及びコンサルティング
(5) 役員
代表取締役國武吉邦
取 締 役國武豊喜、藤川茂紀(フロンティア研究システム ナノ複合構造研究チーム)


3. 理研ベンチャーについて
 理研は、理研の研究成果の技術移転を目的として設立した企業あるいは定款変更が行われた企業に対し、研究成果の普及または研究活動の活性化に有意義であり、既存企業では困難な実用化を目指したものであると認めた場合に、その企業を理研ベンチャーとして認定しています。
 理研が、理研ベンチャーに対して行っている支援措置は、以下のとおりです。

(1)研究者の兼業許可
(2)共同研究における優遇措置
理研との共同研究において、必要なスペース、研究設備等の使用を認めること。
(3)実施許諾における優遇措置
理研ベンチャー以外に実施権を許諾しないこと。
再実施権を認めること。
契約一時金の免除。
(4)研究施設等の利用における優遇措置
理研の研究施設内に連絡事務所を設置することを認めること(有償)。

 現在、23社が理研ベンチャーの認定を受けています。工学、情報技術、生物科学、物理、化学などの様々な先端技術分野で起業が行われています。


(問い合わせ先)

独立行政法人理化学研究所 知的財産戦略センター
 企画戦略チーム
  生越 満(おごし みつる)

Tel: 048-462-5287 / Fax: 048-462-4718
株式会社ナノメンブレン 連絡事務所(予定)

Tel: 048-462-1111(内線6313) / Fax: 048-467-9599

(報道担当)

独立行政法人理化学研究所 広報室 報道担当

Tel: 048-467-9272 / Fax: 048-462-4715
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